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値段の格差に呆れていた@ルアー [フィッシング・タックル]

13年9月16日新品ルアーA-520.jpg
 自分らがルアー・フライのスポーツフィッシングに興味を持った80年代後半、開高健や西山徹の釣り紀行やフィッシング教書を読んだり、当時唯一無二だった釣りのTV番組「THEフィッシング」を観て楽しんでいましたが、8年前からマンションで暮らすようになって、同時にCS放送を観ることができるようになり、その中のチャンネルである「釣りビジョン」でたくさんのルアー関連番組を観られる環境になりました。ここしばらくの間に、日本でも90年代以降バストーナメントツアーが確立し、本格的な「バスプロ」も数多く出ています。もちろん個人のショップやメーカーの開発スタッフが表(番組)に登場する機会も増えましたが、同時にロッドやリール、ルアーやその他細かいものまで、本当に様々なメーカーやブランドが立ち上がり、百花繚乱の様相を呈していますね。昔は圧倒的にアメリカンルアーや北欧のラパラが第一で、国産のものはみなコピー品的なものばかりで、それらをちょっと改良したものが大半を占めていましたね。メーカーもオリムピックやリョービがあって、ダイワやシマノが中堅として地位を固めていましたが、今やオリムピックは消え去り、リョービもケンクラフトと言うブランドでやっていましたが、釣具から撤退していまして、ダイワとシマノが二大巨頭のようになっています。では、国産ルアー製品が少なくなったかと言うとさにあらず、バスプロや個人ショップから発展した銘柄のものが溢れるように釣具屋さんに並んでいます。しかも、値段は過去と完全に逆転していて、アメリカンルアーの値段が1000円以下、国産のルアーが1000円以上と言うことが圧倒的に多くなってますね。確かに国産品は作りが良くて、とてもリアルだったり工夫されていたりして、見た目に良く釣れそうなんですよね。でも、アメリカの老舗ヘドン社のバドワイザー缶をプリントしたおふざけ的なルアーでもバスは釣れるように、品質の点で劣るアメリカンルアーでもしっかり釣れるんですよね。
 そこで、前から思っていたんですが、現在の高価な国産ルアーの原価は一体いかほどのものなのかと言う疑問です。ダイワやシマノ等、数を多く生産できる会社、つまり、しっかりと数が見込めるブランドのものは、開発デザインに色々なバスプロやその他人件費が掛かるでしょうが、基本的に型さえできてしまえばたかがプラスチックとちょっとした金具の物体ですから、ほんの数百円がいいところでしょう。問題は1万個作るか千個作るかで、製造単価は大幅に変わりますが、規模の小さい個人ブランドのものでは多少高くなるのも仕方ないと思われます。でも、実際今の価格はどうかなと思えるものが多く、どうも購入意欲が湧かないのも事実ですね。
ジョイクロ-520.jpg
 例えば、これは10年ほど前に登場したリアル系ビッグクランクの元祖、ガンクラフトが発売するジョインテッド・クローと言うルアーですが、その値段は4500円前後になります。このルアーはそれまでのせいぜい細身の12cm程度のルアーから離れて、全く新しい発想で川に泳ぐ鮎の形から大きさ(20cm前後)まで忠実に再現し、泳ぎもそれまでのミノーと違って激しく体を振ることなく、水中に悠然と泳ぐ魚のように、ゆったりとS字に泳ぐ感じになってます。これが模型好き・ルアー好きの平岩氏個人で作って、自社で売り出したところ、それまでにない革命的なフィッシングパターンをもたらして、今も売れ続けるビッグヒットになりました。ただし、値段は一般のルアーの4倍。4500円と言えば、今では入門用ルアーロッド+リールのセットが買えます。中学生達が釣りビジョンの番組に登場する平岩氏にあこがれても、なかなか買える代物ではないですね。
イマカツビッグロイド-520.jpg
 ジョイクロの有効性が認められて話題になると、当然それを模したパチもんが現れるのは当然の成り行きです。パチもんとは言え、それがバサーに認められたブランドから平然と出てくるのが不思議と言えば不思議ですが、この画像のものもその1つです。イマカツと言うブランドから出ているビッグロイドと言うモデルで、このブランドはバスプロとして名高い今江克隆氏の立ち上げた会社のものです。苗字と名前の一字を取った彼のニックネームからくるものですが、当初は釣り針で有名な「がまかつ」をもじった意味合いもあったでしょうね。そのイマカツも今では釣具店にたくさん色々なものが並ぶようになった銘柄ですが、正直言って値段はどうもボッタクリの代表選手みたいに思えます。このルアー、ジョイクロの二番煎じなのに7350円ですよ! 有り得ませんでしょ? これがどれだけ釣れるかと言うと、一度も使ったことのないワテには正直はっきり言えませんが、7350円の価値があるかと言えば「否」でしょう。一部のイマカツ信者には売れるかも知れませんが、どう見てもこの値段は突飛です。こうしたやり方は、人気のあるうちは何とか成り立つでしょうが、一旦人の足が遠ざかると没落も早そうですね。何か日本人の集団的な発想で、長蛇の列が並ぶラーメン屋は美味しいと確かめもせずに自分も並び、それが長時間の苦労に見合うだけの素晴らしい味でなくて、そこそこ程度のものでも、無理に自己満足させてしまうきらいがあります。また、一杯の水が800円で物議を醸した、TVに登場しただけで有名になった若者シェフの店などは、値段が半端ないですが、果たしてその金額に見合った味なのかどうかはちょっと疑惑の念が湧いてきます。ヨーロッパ諸国は日本のようにきれいな水が水道から普通に出る環境でなく、レストランで蒸留水が有料なのは分かりますが、ここは日本です。水道の蛇口に蒸留フィルターを付けた水道水だけでも充分です。それを注文もしていないのに800円もする水を出すのは、やはりワテにも納得できないでしょうね。しかし、それでも彼の店に通う常連客がいるのでしょうから、価値観は人それぞれ。でもね、「高い店=美味しい店」みたいな先入観が多くの日本人に多少なりともあるからこそ成り立つような気がしてならないんですよね。ルアーでも全く同じで、「今江プロが作った高価なルアーだから絶対釣れる」と思い込んで買いたくなるんじゃないでしょうかね。で、実際に釣れるかどうかと言えば、1000円のルアーと大差ないのではないかと思えちゃいますね。もし値段通りに7倍以上の圧倒的な差があれば、高くても皆買ってますもんね(^∀^)。
 そこで、やっとトップ画像のルアーに話を振りますが、これは全国規模のチェーン店「釣具のポイント」を展開するTAKAMIYAが作ったビッグベイトルアーです。名前は「一撃BAIT」と言うもので、通常価格が980円(!)ですよ。しかも今年になって出たばかりのものです。それが現在セール中で、何と680円で売られていました。TAKAMIYAの他の通常サイズの一撃シリーズルアーはセールで480円。これでもしっかり採算が取れる値段ですから、何をかいわんやですよね。ビッグベイトを使いたくても高過ぎて買えなかったルアー小僧達も、このおかげで充分楽しめることになるでしょう。しかも、リップの部分が取り外し可能で、付ければ普通のジョインテッドミノーのように、外せばS字クランクとして使えるような工夫もなされています。それを徹底的に価格を下げて消費者に提供してくれる、こうしたメーカーの姿勢は嬉しいじゃないですか! ワテは安いと言うだけでなくその姿勢が気に入って、こうした大きなルアーを使うべき竿も持っていないのですが、思わず2個買っちゃいましたよ(笑。
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 そのTAKAMIYAが出しているもので、以前から使っていたやつがコレ。理由は単純に安かったからですが、結構リアルな小魚風で、遠投も利くので、10lbラインを付けてML(ミディアムライト)タックルでこれを飛ばして結構釣れました(アメナマですが^o^)。これも今は480円ですが、他のメーカーの1500円くらいのものと比べて、全く遜色ない仕上がりです。
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 同じく値段を安目に設定してくれるMariaのルアーもお気に入りです。上のスライスという細身のバイブレーションは、正にTAKAMIYAのハーフ・ソリッドとライバルですね。値段はMariaの方が少し高いですが、それでも1000円以下。これも細かく本体を震わせて、早巻きに良く合っていますね。
 下の8cmミノーも最近良く使っています。霞ではこれを投げていれば簡単にアメナマは掛かってきます。イナッコ(ボラの稚魚)みたいに見えるんでしょうね。大柄な割りに体をX字に良く振ってくれます。このサイズですと、他社のものは軽く1500円オーバーは当たり前ですが、Mariaのコレは1080円。小さなPocketsのシリーズは650円だし、Mariaの企業姿勢は本当に有り難いです。しかも、これまでの今年の釣行で、ラパラに次いで釣れるのがMariaのルアーですから、ワテにとってもう大のお気に入りになっています。
13年9月16日新品ルアーB-520.jpg
 そのラパラですが、昔からワテ個人の格言で「困った時のラパラ頼み」と言うものがあるように(笑)、霞だろうが印旛だろうが、相模湖だろうが津久井湖だろうが、どこでも釣れました。ただし、津久井湖ではハスしか釣ってませんが(^∀^)。上の二つは管理釣り場用やスモールマウスバス用に買ったCD1(カウントダウンの2.5cm)で、下がバス釣りでも大活躍のCD3(3cm)です。特にこのCD3のような鮎カラーは有効で、あまり売られていないのが難点ですが、見付けたら買ってます。このサイズのラパラは大体900~1000円で、伝統的にバルサを使ったミノーゆえにあまり値崩れしませんね。反対に同じラパラでもプラスチックのラトリンラップと言うバイブレーションプラグは、つい先日580円で購入してきましたが、結構大幅値引きで出ている場合があります。ただ、これまで長年使ってきましたが、ラパラはバイブよりもミノーの方が全然釣れますね。
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 同じラパラでも、今年になってリリースされたスキャッター・ラップのCD7は大人気で、結構売り切れている場合が多いようです。特に下の鮎カラーはもうほとんど店頭に並んでいないですね。もう1つメッキで背が紺色、体側が青っぽいやつも使っていますが、それももう店頭に並んでいませんね。画像上の黒い斑点が体側に並ぶやつはまだありそうですが、早いところまた入荷して欲しいものです。値段は他のラパラの7cmと同じ程度で1200円ちょい。人気があるせいか値引き率はまだあまり高くないです。実際に使ったところ、この湾曲した大きなリップのおかげで、遅巻きで大きく体を揺する感じになり、普通の巻き方で体を揺すりながら軌道が右に左に大きく動き、早巻きではまるでZ字のように激しく進行方向を変え、場合によっては水面から飛び出ることもあって、本当に捕食魚がら逃げ惑う小魚を良く演出しています。ただ、問題は動きが激しいので、魚が追い付けない可能性があるところでしょうか。本当に逃げ惑っているうちに逃げ切っちゃたら意味ないですもんね(^∇^)v
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 そのラパラが今ではアメリカンルアーの雄、ストームを買収して傘下に収めているのは有名ですね。でも、そのおかげか、ストームのオールドルアーが復刻されて、ほとんど当時のままの姿で安価に購入できるようになりました。画像はホッテントットですが、下のパッケージが10年位前に買ったもので、上が現在のものです。ちなみに90年に初めて買った時には、ストームではなく「スィンフィン」と言うブランドで出ていました。いずれにせよ、当時アメリカンルアーは1500円コースでしたが、今は概ね800円以下。実際、ついこの間に同銘柄の「ウィグルワート」の1/2ozを買いましたが、680円でした。同じ売り場で鉛筆のような細さの、妙にリアルで小さな国産ミノーが1980円で並んでいるのを見て、「時代は変わったもんだなぁ…」と感慨深かったですが、前から言っている通り、高けりゃ釣れる訳ではないんですよね。2万円払ってそこそこ美味いコース料理をたべるより、空腹時のすき家の280円の牛丼の方がどんだけ美味いことか。それにとてもファニーなアメリカンルアーは見ていて楽しくなるおかしさがあるようで、ワテは大好きです。

 結論から言えば、TAKAMIYAのビッグベイトルアーの値段が証明しているように、ルアーの原価などかなり低いのは確かですが、最近は平気で驚くべき価格を付けることが多々あります。ですから、これはあくまで個人的な見解ですが、未だ手間のかかるバルサ製ルアーを基本的に作り続け、しかも輸入コストもかかっているラパラの価格(1200円前後)を標準にして考え、ワテは1500円以上の値を付けるものには手を出さないし、興味も持たないようにしています(1500円でも高いですけどね)。とかく趣味の世界では値段を法外なものにしても許される傾向が見られますが、「買う者がいるからその値段になる」と言う理論は、実はその土壌を自らどんどん狭くする可能性があると思うんですけどね。ビンテージやオールドタックルのように、別の付加価値が付くのとは訳が違います。また、シマノ等の大手国産メーカーが7万円以上もする小型スピニングリールを出しているのとも別の話。高価なフラッグシップから数千円台の入門用まで、様々な価格帯のシリーズを並べるのは、「いつかはクラウン」と言う広告に憧れてカローラに乗っていた一般的な購買層を取り込むの昔の販売戦略と同じことです。まぁ、廉価版からフラッグシップまで、何段階も揃えられるのは大手だからこそでしょうが、こうした販売路線は単品のルアーではほとんど無理な話でしょうね。そこで高価格に設定するのではなく、TAKAMIYAやMariaのようにしっかりした品質でも価格設定を低くしてくれるメーカーが多く出てくれることを願いたいです(^∇^)b


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ニッパチ

私も随分ルアーは使いましたけど、今の国産品は中々買えません(^^;
中坊の頃はアメリカンですら憧れで本を見ては絶対買う!って思ったものです、やっと買った1個、また1個が宝物のように使いました(笑
この頃からダイコーのスピードスティックHロッドでラパラSSR14をキャストしてましたが、なんせガングリップなので手首が持ちませんでしたww
中々投げれるロッドが当時は無く、何も考えなくバスはガングリップだろうと勝手に決めていたのが徒になりました(^^;

まじめにジョイクロ釣れますw
ただ、僕はサーチベイトとしての能力が抜群だと思っています
スイッチを入れるのにコツも必要だし、リアクションバイトも技術がいります、まぁクランクも他のルアーも同じですけど(^^;
特に厳冬期ジョイクロに敵うルアーはそうそうないと理解しています。
ですが、このスタイルに頼る釣り・・・
これしか使わないデカバス狙いはしたくありませんw
パターンはいくつも存在し、その日その日で探し当てるのがバスフィッシングの最大の醍醐味だと思うからです(^^)

釣りは趣味性が強いにせよ、いくら何でも儲けすぎと思いますw
ルアーをプロデュースしてチャラチャラしたバスボート一体いくらすんのよって感じで見てます(^^)
ロッドいっぱい持ってますが次から次にロッド出したって今迄1本だって買ったためしないっす(笑
ロッドはダイコーのあと当時最高峰のモノを無理して買いました・・・
中坊には絶対無理的な桁外れのフェンウィックw
しかし30数年も経ちましたが、いまだにロッドの定価に変わりがないんですフェンウィックは(^^)
今も昔も変わらないクォリティーだからだと・・・
今見ても高いと思うプライスですが当時からほとんど差がないのにむしろ驚く今日この頃ですw

国産はどんどん値上がりしどんだけ釣り人から儲けんの? って感じw
クォリティーが良くなったのではなくトプさんのおっしゃる通りと思います、国産の良いものも昔からクォリティーも価格も高いですもん(^^;

そしてやっぱりハンドメイドの叩き売りはラパラ様w
このクォリティーで世界一安いときてますから(笑
おまけに釣れ釣れ(^^)

ちょっといいすぎましたかね?
でも本当に国産は高いっすww
by ニッパチ (2013-09-20 13:00) 

トプ・ガバチョ

>ニッパチさん、ちわっす!
前からこのところの国産ルアーは高過ぎだと思っていましたが、考えてみると、一昔前、丁度ワテがあまりルアーをやらなかった90年代半ばから後半頃、メガバスのルアーが妙に大Hitして品不足から現行品が3倍近い値で平然と売られていた“バブルアー”とも言うべき時期があって、それでも売れるとメーカーが踏んだのか、一気に高価格路線に走ったきらいがありますね。
反対に、インターネットが確立された90年代末からは、個人でもアメリカンタックルがたやすく購入できるようになり、ルアーの価格も現地ほどではないにしても、それまでの日本での価格に比べ、大幅に安くなりましたよね。
80年代前半は2万円のミッチェルや3万円のAbuのリールがステータスでしたが、今はダイワの7万5千円もするスピニングリールが普通に売られているのですから、本当に時代は変わったと言えますね。
ロッドもやたらに魚種別みたいに細分化されていますが、あれは明らかに消費者にたくさん買わせるための戦略ですよね。
ナンすか、メバリング用とかアジング用とか、ライギョ用とか磯物用とかって…。
ルアーロッドなんだから、ラインの太さ強さに合わせた固さの分類だけで本来は充分なはずで、せいぜい先調子か胴調子かと言ったオプションで充分なはず。
ワテはトラウト用のULクラスのスピニングロッドでずっとバスも釣ってきましたが、これで充分でしたもん。
シーバス等の大き目のルアー用に例のグリグリ700を買いましたが、正直言って、湖のバスでしたらこの2本で充分だし、トラウトもヘチマもないですもん(^∀^)。
ま、近い将来、Abuの小さい左巻きベイトリールとそれに合わせたロッドを買って、ニッパチさんみたいなスタイルの釣りもしてみたいです(^∇^)v
by トプ・ガバチョ (2013-09-20 14:21) 

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