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素浪人 天下太平@東映ch [映画・TV関連]

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 大好きな近衛十四郎「素浪人シリーズ」ですが、これまで観るチャンスがなかったのが第3作になる『素浪人 天下太平』でした。『素浪人 花山大吉』の後期に近衛十四郎の持病であった糖尿病が悪化し、番組撮影がキツくなってきたものの、高視聴率の番組をストップさせられず、第79話から新たなレギュラー南弘子を加え、「焼津の半次」とトッポいミニスカ風の着物にテディベアみたいな熊のぬいぐるみをいつも持っている「お咲」との珍妙なやり取りで、何とか「おから旦那」の登場シーンを減らして番組を2クール続けていましたが、やはり病には勝てず、70年の末にドクターストップがかかって結局104話で終了しました。その後しばらく療養した近衛十四郎が、満を持して73年初めに復活して作成されたのがこの『素浪人 天下太平』なんです。
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 共演者は残念ながら「焼津の半次」(品川隆二)が外れ、加茂さくら演じる「鴨奴/お仙姉さん」と、仮面ライダー2号で知られる佐々木剛演じる「うづ巻きの勘太」の2人になりました。ストーリーの基本線は、江戸でさんざん飲み屋の付けを溜め込んで、まるで夜逃げのように金の工面をすべく旅に出た「天下太平」旦那を、飲み屋の専属の芸者である「鴨奴姉さん」こと「お仙」が付け馬のように追いかけて行く道中記です。「お仙」は付け馬ながら、旦那に好意を持っていますから、あまりモーレツに金々言って迫らず、どちらかと言うと、一緒に旅をすることを楽しんでいる感じです。
 その2人に、道すがら知り合った「うづ巻きの勘太」と言う変なにーちゃんが付かず離れず道を共にしますが、この「勘太」兄さんは、例えば「お仙」が旦那を見たかどうか聞こうとして、「ちょっとお兄さん!」と声をかけると、それを「止めてくれるなお姉ぇさん、男勘太は行かねばならぬ!」と勘違い100%の訳の分からない決め台詞で格好を付けようとします。こんな風に、今風に言うならば完全に"KY"で、なおかつ腕っ節もまるでダメなお笑いキャラです。
 他に"レギュラー"として、番組オープニングの主題歌の際に映し出される殺陣のシーンが終わる時、アニメの小鳥が飛んできて、「旦那、今のは格好良かったけど、今夜の旅籠代はどうすんの?」と突っ込みを入れます。これは毎回同じですが、劇中ではアニメは登場せず、声だけどこからか旦那だけに聞こえてくるようになっていて、旦那の行動にチクッとイヤミのような言葉を投げかけます。当の旦那は、その声がすると、天を仰ぎ見るように上を向くので、その声が聞こえない(ことになっている)他の者達が「?」になる様子が笑いの1つになっているんでしょう。ただ、「勘太」のおマヌーなキャラも、小鳥ちゃんの「天の声」も、ギャグとしては滑っているかな(^∇^)。やっぱり『花山大吉』の後半からげっそりやせた近衛十四郎の顔は、残念ながら最早オッサンと言うより初老の印象ですね。それでも彼の殺陣はまだまだ健在で、他の役者さんと比べてかなりスピード感もあって、結構活き活きしています。あと、「お仙」姉さんの、いつも首くねくね倒しながら動く様子は見ていて面白いですね。でも、やっぱ「半次」兄さんがいないと魅力は半減。「うづ巻きの勘太」では存在感が薄過ぎます。ちなみにこの後の『いただき勘兵衛 旅を行く』では、実子の目黒祐樹演じる「仙太」や、後に彼の妻になる江夏夕子の「お紺」、吉田義夫の「貧乏神」らがレギュラーで楽しませてくれまして、ワテの中では今のところ『いただき勘兵衛』の方が面白く感じられます。それでも、やはり近衛十四郎の時代劇は他の大多数の時代劇より数段面白いと思いますね。現在東映chで第8回まで放送されましたが、これを観るためだけに毎月1980円のch受信料を別に払っているんだから、せいぜい楽しまないと!(^∀^)v

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HIRO

こんにちは。
やはり相手役との相性も大事ですね。
品川隆二さんとの掛け合いは、絶品でした。
by HIRO (2012-01-31 20:34) 

トプ・ガバチョ

>HIROさん、どもどもです!
正におっしゃる通りで、相方がとの息と言うか、絶妙なバランス感みやいなものが観ていて分かるドラマって、現代劇にしろ時代劇にしろ、本当に面白いです。
ただ、近衛&品川レベルまで掛け合いの楽しいものは、今のところワテの観たものの中では他にないです。
単独なら『荒野の素浪人』の三船敏郎の存在感の方が強いですが、脇を固める大出俊&坂上二郎との掛け合いと言う点では、やっぱ近衛&品川コンビの方に軍配が上がりますね。


by トプ・ガバチョ (2012-02-01 00:15) 

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