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具だくさんの箱だった@『蠢動-しゅんどう-』ブルーレイBOX [映画・TV関連]

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 昨年の10月に横浜で『蠢動-しゅんどう-』が公開されて、それを観に行った時の感想はこちらにまとめましたが、待ちに待ったブルーレイディスクBoxが8月8日に発売されました\(^∇^)/ ワテは前もってAmazonから予約していたので、即日宅配されましたが、問題は我が家にはブルーレイのプレーヤーがないこと。VHSやβ、Hi8やminiDV、LDにDVD等、ほとんどの映像再生機器は揃っていたんですが、BDだけは何しろソフトを1枚も持っていないので不要なため、これまで一度も買ったことはなかったのですが、今回この『蠢動-しゅんどう-』BD-Boxの発売を機に、プレーヤーだけでもと思い、格安なパイオニアのものを同時購入しておきました。それらが昨日いっぺんに届いたので、早速開封して楽しんじゃいました(^∇^)v
 このBD-Boxは本編と5つの予告編が収まった「予告編集」、三上監督による「ネタバレ解説」の3編からなったディスク1と、82年に製作されたオリジナル版の『蠢動』に、4部構成の「蠢動-メイキング-」の2編を収めたディスク2の2枚構成になっています。また、オリジナル版『蠢動』の縮小復刻版パンフレットに、初回限定版のみの特典として、10月に行なわれる特別上演会の無料招待カードが入っている豪華なものでした。開封しただけで何かワクワクしてきますが、そもそもワテがこの映画に興味を持ったのは、以前三上監督ご自身が82年のオリジナル自主制作版の重要なコマを並べて、それらにストーリーを加えて仕上げたWebサイトがあったのを見てたことによります。そこに重要な役どころを演じる往年の切られ役俳優として知られる西田良さんが映っていて、『素浪人 月影兵庫』にはまっていたワテはそこにサンシタや雲助等のチンピラ役で良く出ていた彼を見て、そのユーモラスな面と厳しい表情、また、しっかりした殺陣さばき等から、大好きになった俳優さんだったので、オリジナル版の『蠢動』は是非観てみたい映画だったんです。しかし自主制作の古い16mm映画がDVD化されるなんて100%有り得ないと諦めていましたが、それが今になってBD-Box化されて観られるようになったんですから、期待度は観る前からかなり高かったです(笑。
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 では、ディスク1を早速観てみます(画像はそのままコピーするとナンですから、色を落としたり、画像処理をしたりしておきます)。『蠢動-しゅんどう-』本編は劇場で観た時の迫力に少しでも近付けるべく、部屋を真っ暗にして大き目の音量にして50インチTVから1.5mの位置で楽しみました(^∇^)v
 この映画は和太鼓の音が印象的に用いられていますが、いわゆるテーマ曲・挿入曲等の音楽は皆無です。効果音も、例えば風の音やチャンバラのしのぎを削る音、切られた時の肉の裂ける音等、普通に加えられるもの以外は全くなしで、「静」の映像そのものが何かストーリーを語っているような「行間の流れ」を形成しています。その映像はとかく派手な色使いになりがちな現代の映画とは全く異なり、色合いが淡く、コントラストも強くない、昔のフィルム映画のような趣も感じますが、最新のデジタル映像らしく非常にシャープで切れ味鋭いものがあります。それを強調させるのがちょっとしたコマの切り替えで、例えば初めに近いシーンで若い藩士達が屋外で剣術の練習をしているところを城代家老らが見て、言葉を交わすシーンがあるんですが、それまでちょっと引いたところからの画像から、家老と師範代の顔のアップに移る際に、カメラを手前に寄せてアップさせると、バックはそこそこはっきり写る位置関係でした。そうなるとバックが煩雑になりますが、それを離れたところから長目の望遠レンズで撮ることで、バックを大きくぼかしていました。しかし、明るいレンズで絞りを開けると、望遠ではピントが合ったところだけがシャープになり、具体的には目にピンがきたら、耳はもうぼけ始めているようになり、輪郭が眠い画像になる恐れがあるんですが、ここではきっちり全身に切れ味鋭いピントがきているように、適度に絞り込まれているようです。それでもバックは望遠だから大幅にぼけて、人物だけが浮き上がって見えるんです。シーンによってはまるでステレオ画像かと思えるような浮き上がり方でした。
 前にも書きました通り、この映画は基本的に「静」のシーンが多いです。城代家老・荒木を演じる若林豪さんの台詞もそう多くはないですが、彼の表情が多くの言葉を発するんです。眉間のしわやちょっと下を向いた表情が苦悩を表し、同じような表情でも眉尻が上がった感じで横を見ると言いようのない怒りがにじみ出ていました。また、舞台になっている外様である因幡藩へ幕府から剣術指南役としてやってきていた隠密・松宮役の目黒祐樹さんも、普段の目尻の下がった優しい顔付きは微塵も感じられない厳しい表情で、立っているだけで威厳を感じさせる雰囲気を醸し出していました。それに剣術の師範代役で、この映画で最も重要な役回りと言っても良い藩内随一の使い手・原田の役を演じる平岳大さんがまた無表情の中に表情有りと言う趣で、正にこの役には彼しかいないと言う感じの適役でした。背は父親の平幹二朗ゆずりで高いけれど、現代の若手俳優のような細い感じではなくて、首太で鍛え抜かれた体格なのもホレボレしますね。それに、剣術に命を燃やす若い藩士・香川役の脇崎智史さんも、ひょろひょろしておらず力強さがにじみ出ていました。映像特典を見ていたら、彼は甲子園の経験もあるようなスポーツマンだそうで、その体格から言外に「荒々しい青年」を現している訳です。人選も上手くなされていなければ、こうしたイメージは湧かないですが、この映画では監督の選考眼が素晴らしかった証拠になりますね。
 他に本編を観ていて興味深かったのは、シーンの終わりに差し挟まれるちょっとした映像で、これがまた「言外の言」を効果的に表しています。例えば、他藩に修行に出たい香川の姉と、親友の木村が祝言することに決まっていてそれぞれに姉がお守りを作って渡すシーンの後に、清らかな水面に光がキラキラ輝く映像が数秒差し挟まれたり、幕府からの普請費用の割り当てから逃れるために、苦悩する家老が映った後で、枯れ木の映像が映されたりするように、観ていて「細かいところにまで良く配慮されているな」と思いましたが、後でメイキングを観ていたら、そんな点にもちゃんと言及されていました。小説では効果的に一見無意味な一節を差し挟んで心情を表すことが多用されます。代表的な例として、悲しいシーンで「ふと窓の外に目をやると、いつの間にか雨が降り始めていた」なんて一文を加え、言外に悲しみを感じさせる訳ですが、正にそうした手法が随所にちりばめられているんです。自分は文学部で漢文を専攻していましたが、ながらく国語科の教員でもあったので、物語文の読解の際に生徒達には「悲しくなったら雨が降る」なんて冗談交じりに説明していたものです(^∇^)v これは映画でも全く同じですね。しかし、最近の他の映画を観ていて、そうした点が印象に残るものは多くないですが、行間を読み込ませる映画が少なくなったとも言えるような気がしますね。
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 ストーリーはあまり細かくは書けませんが、大筋は幕府から普請工事費の割り当て金が地方の小藩である因幡(いなば)藩(架空)に負わされる恐れがあり、それを何とか回避するために心ならずも様々な立場の藩士らが苦悩し、悲劇に巻き込まれると言うものです。以前にも書きましたが、それぞれの役どころが皆「悪」ではなく、自らの立場・役目を全うしようとしているだけなんです。ですから、敢えて言うなら、怒りをぶつけたくてもぶつけようのないものが「悪」になります。実はこの「怒りをぶつけたくてもぶつけようのないもの」こそ「武士道」であって、この理不尽な武家社会の仕組みが人々を不幸にしている訳です。では、幕府からの隠密を任された剣術指南や、最後に登場する幕府の要人は「悪」ではないのかと言うと、彼らもまたしっかりと自らの使命を全うしようとしているだけで、正しいことをしているに過ぎません。それぞれの立場が因幡藩と言う舞台の上で牽制し合い、争い合い、また支え合っているんですね。前に観た時に「蠢動」の意味が細かい虫達がうごめき合う様であることから、一小藩の中で人々がそれぞれの立場を全うすべく、ざわざわやっているのを俯瞰したような意味合いのタイトルなんだろうと思いましたが、このディスクで三上監督が言及しているように、当事者からすると必死で守る様子も、大局的には小さな虫達の「蠢動」でしかなく、正に大きな目で見ると小さな者達がうごめいているだけの虚しいざわめきなのです。
 最後に若い藩士香川が雪上で仲間であるはずの同士に追われ、図らずも激しく刀を交えるまで、基本的にストーリーは「静」ですが、何か地下で鬱積したものがぶくぶくと湧き出そうな状態で推移して行き、それが剣術指南役と藩内随一の使い手である師範代との殺陣シーンから急にギラギラとした熱いものが噴出するかのように前面に出て、話が「動」へと急転換します。藩の内情・置かれた立場を会話の中で説明しながら進む「起」、それを受けて登場人物それぞれの立場で話が進む「承」、藩の命で大きな事件が発生する「転」、事件の収束のためにかえって大きな事件に発展して、言いようのない虚しさの中で終わる「結」と、登場人物の立場がそれぞれ異なるものを平行して描きながら、最後に一本に絞り込むことで、それらがもの凄い力になって、何か矛盾する言葉になりますが破裂しそうな虚無感のようなものを生み出しているのでしょう。全く計算し尽くされた見事なストーリーだと思います。それに香川の姉役のさとう珠緒が事件を知らされてつらい気持ちの中で親の位牌に手を合わせるシーンで、家を出て他藩に剣術修行に出る弟がそっと姉に残したお礼の品を見付けて涙がこぼれるシーンは、こちらの瞼も熱くなりました。同じく心ならずも気心知れた弟子を追討のために追い詰めながら、最後の最後で迷って傷を負い、何とか城に戻って報告する師範代役の平岳大の迫真の演技は、ぞくぞくっとくるものがありました。言葉ではとても書き尽くせない興奮と虚しさ。本当にたまらないです。
 最後の長時間の殺陣は雪上で1回撮りのもので、まっさらな雪の上での2度撮りはできませんから、綿密に前段階で練習を積んで撮影に臨んだものだそうです。若手藩士達は映像特典によるとオーディションに通った若手俳優さん達で、「チーム蠢動」と名付けられて、長いこと剣術の練習をみっちり積んでいたようです。もちろん昔の時代劇俳優のように剣さばきが身に染み込んでいるようなものはないでしょうが、殺陣師としてその名を轟かせた久世竜一門の後継者である久世浩氏が指導しただけあって、違和感は一切なかったですね。それにワンカットでの長い殺陣シーンは、ともすると疲れから破綻してしまう恐れもあるでしょうが、実際の戦いは正にそんな感じの中でなりふり構わず力を振り絞るもので、例えば中村敦夫主演の『木枯らし紋次郎』の体全体を使ったケンカ殺法にも通じるように、がむしゃらにどんな手でも相手を倒す感じがリアルさを映し出していました。実はこれもちゃんと布石が前半にあって、剣術を磨くことばかり考えている香川が、城代らが見る前でライバルの若手剣士と木刀を交える際に、まるで柔術まがいのやり方で相手を打ち負かすところが描かれていました。つまり、「形」ではなく実践的な剣術を追求していた彼が、思いもよらずに最後で真剣でそれを実践する羽目になってしまう訳です。本当にとことんつながりがしっかりしたシナリオですね。舌を巻くほど感心しちゃいました。それに対し、前にどこかの映画の評価サイトで、この映画の雪上の殺陣シーンで血が出ていないことを挙げて低評価を付けている人がいましたが、ワテに言わせればそんなのは愚の骨頂で、そんなことにこだわるなら、SFのように完全に架空の時代劇において、竹光を使って斬り合う時点で自動的に最低評価になってしまいます。それでも監督の解説にはしっかりとこの辺にも言及されていて、とても興味深いものがありました。まっさらな雪上での1回撮りですから、血を巻き散らす仕掛けを加えることはできなかったでしょうが、それでも別撮りが可能なアップのシーンでは、頚動脈を切り裂くところで血が吹き出る場面を設けていましたね。
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 その最後の殺陣シーンはこれだけの雪の中でのものですから、相当体力を使ったことでしょう。歩くだけでも息が上がるようなところで、多くの者と戦うシーンをノーカットでこなした脇崎智史さんの身体能力は大したもんです。それに画像のように背面の山々がくっきり映っていますが、雪山の遠景だけに煩雑になることはなく、何か緊張感を出すのに役立っています。藩士が急遽招集されて城に入る堀の上の橋を駆けて行くシーンは望遠レンズで撮影し、香川を追って雪道を大勢の藩士が早歩きで進むシーンでは、遠くからの望遠レンズでのアップと標準レンズでの俯瞰を交互に映していましたが、これらは正に「蠢動」している様子とぴったり当てはまる画像でした。それに、この最後の場面で和太鼓が激しく鳴り響き、それまでほとんど効果音の使われていなかったところから一変し、風雲急を告げる感じを強めていました。この太鼓の音もこの映画では実に効果的な役割を果たしていますね。見事です。
 さて、もう1つの『蠢動』、つまり82年の自主制作による16mm版も楽しんでみることにしましょう。これはストーリーが最初から三上監督自身が演じる青年剣士香川が、他藩に修行の旅に出るシーンから始まります。追っ手には親友の木村もいますが、彼は本編とは異なり、香川の姉との祝言を控えた間柄としては設定されておらず、最後も香川が心ならずも木村を自身の刀で斬ってしまうようになっていて、随分ストーリーが変更されていることが分かります。また、追討隊長になる原田(西田良)は、やはり本編とは別に香川を良く理解している先輩ではなく、ただ藩内随一の使い手と言う設定で、本編での原田のような苦悩はあまり感じられません。また城代家老の荒木(玉生司朗)も苦渋の選択で香川を欺くと言うより、悪代官的な冷徹なキャラクターとなっていました。また、幕府からの使者(汐路章)もその風貌から、ただただ「悪」な印象に徹していました。それに本編で見られた剣術指南役はオリジナル版では設けられていませんでした。基本は藩の存続のためにいわれのない罪を何も知らないままかぶって同士を斬り、自分も奈落の底へ陥れられる若い剣士が描かれていますが、この路線一本になります。本編はこれに加えて城代家老から見た流れと、師範代の原田からみた流れがあって、これら3本の本流が絡み合って、さらに支流として親友の木村と姉のつながり、道場で敵対する若手藩士と剣術指南役の松宮の流れが加わり、ともすると煩雑になりそうになるところを上手く本流に飲み込む形で太い一本の流れ(つまり「武士道」と言う形のない「悪」)を組み立てているんです。つまり82年の最初のシナリオから、様々な要素を加えてさらにそれらを吟味し、絶妙のバランスで配された役どころが出来上がったのが本編であると言えましょう。82年のオリジナル版は、監督の若い映画作りに燃える熱気がベテラン俳優を動かして仕上られたもので、自主制作の低予算な中で作られたものにしては、しっかりした内容のものだと言えますし、本編を観た上でこれを鑑賞すると、様々な相違点が見えてきて、実に興味深いものになりますね。大好きな西田良さんの様子は、『俺は用心棒』で演じた新選組山崎烝にも相通じる雰囲気で、とてもシブかったですね。これに対し、いかにも素人然としたその他の役を演じた監督さんの仲間と思われる皆さんの台詞回しや演技は、正直言って西田さんらのベテラン俳優さん達とはもちろんかなりギャップも感じられましたが、あくまでもこのオリジナル版は本編をより一層楽しむための調味料であり、これによって楽しみが一層味わい深くなることは間違いないです。ワテも長年の願望がやっとかなえられて、大変満足できる映像特典でした(^∇^)b

 メイキング編も非常に内容が濃くて、監督の徹底したこだわりや裏話、俳優さん達の意識や役に臨む姿勢、その他大変興味深い内容が満載でした。とにかく、様々な面で細かく読み取るポイントが配されていて、全体としても観終わった後で色々考えさせられるものがあり、しかもそれらの解答の大きなヒントになる話が満載のこのブルーレイディスクBox。おいしい具がたくさん詰まった特上の重箱のような作品ですね。監督さん、次回作も期待してます!

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映画に心を打たれていた@蠢動‐しゅんどう‐ [映画・TV関連]

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 最近、連続TVドラマから時代劇が消えてしまいましたが、まだまだ時代劇は死んでませんね。時代劇は近年どんどん撮影場所が減ってしまって、セットもきちんとしたものを揃えるには現代劇よりも遥かに予算がかかるそうで、テレビ局がそれを回避して安直に韓流やアイドル・お笑い系のバラエティ番組を乱発し、かえってTV離れを加速させているようなところが見られます。実際、ワテがいつも観ている時代劇専門チャンネルで放送される過去の時代劇番組は、現在のチャラチャラしたTV番組とは確実に一線を画した面白さがたっぷりありまして、結果として地上波では番組をほとんど観なくなっちゃいました。でも、残念ながら大半が過去の作品と言うのは、裏を返すとかなりネガティブな要素でして、時代劇専門chがオリジナルで『鬼平外伝』のシリーズや『新・御宿かわせみ』等のドラマを製作してはいますが、やはり全体から見たらわずかな灯火のような状況でしかありません。これは映画にも言えることですが、幸い少ないとは言え、毎年ちょこちょこと時代劇映画が製作されてはいるものの、正直言って「お金を払ってまで見に行かずとも、次の年には日本映画専門chか時代劇専門chで放映してくれるさ」と言う気分しか湧き上がらない感じの作品が多かったです。そんな中でも、役所広司主演のリメイク映画『十三人の刺客』と『最後の忠臣蔵』は秀逸でしたね。しかし、劇場まで観に行くまでは至りませんでした。時代劇の火を消さないようにするには、観客がもっともっと足を運ばねばならないのは重々分かってますが、最近は近くで公開されない場合が多く、公開されても1週間もしないうちに終わってしまうようなこともあり、なかなか足が遠のいてしまってました。
 そんなワテですが、今回「これは絶対観に行かねば!」と思った時代劇映画が上映されていまして、それがこの『蠢動 -しゅんどう-』と言う作品です。実はこの作品の原型は82年に監督の三上康雄さんがご自身で主演された16mm版が作られていて、そこで重要な役回りの共演者として、ワテの大好きな役者さんの1人である西田良さんが出演していました。しかし、この映画は劇場で公開されることはなく、主要なコマに文章を添える形で三上監督のHPで発表されていたのをワテはじっくり読んで「観てみたい!」と心に思っていた作品だったんです。それが最初の撮影から20年以上経って時代劇も衰退した今、若林豪さんや我らが目黒祐樹さん、平岳大さん(平幹二郎の息子)、栗塚旭さんら豪華キャストで本格的に作り直されたのですから、期待度は観る前から膨らんでいって、今日映画館に入って座席に腰を下ろし、いよいよライトが消えて、開演早々陣太鼓の「ドンッ!」と言う大きな音が鳴った時には
破裂しそうになりましたよ\(^∇^)/
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 内容はさすがに詳しく述べられませんが、一言で言って「爆発しそうな切なさ」を感じましたね。重々しい雰囲気の中で、若林豪のちょっとした表情の変化だけで全てを語るような演技や、威厳に満ちた存在感と厳しさを表した目黒祐樹らベテラン俳優陣。対する若手はちょっと取って付けたような台詞回しのように聞こえることもありましたが、基本的に今現在の言葉で話しているので、そう感じるのかも知れませんね。ただ、平岳大の容姿はその太い首周りときっちり鍛え上げられた体ともども、非常に素晴らしかったですね。正に適役でした。当然のことながら、顔付きは父親に良く似ていますが、何か少し前の渡辺謙を感じさせるパワフルさも感じられました。無表情の中に何かを伝える演技ができるのは、さすがだなと思いましたね。
 撮影も凝っていて、やたら派手な色合いが多い今の映画に対して、全て淡い色や自然の色を大切にしていて、好感が持てました。また、フィルムにしてもデジタルにしても、とにかく感度が高くなった現代の撮影において、しっかりバックをぼかして立体的な画像を印象深くしたり、反対にバックと人物を俯瞰するように離れたところから望遠で撮って溶け込ませたり、背景ともども人物をアップさせて迫力を付けたりと、構図も含めて観ていて全く飽きませんでしたね。
 時代劇の肝とも言うべき殺陣ですが、これは昔の東映風の優雅なものではなく、とてもリアルな雰囲気の力強いものでした。かなり役者さん達も体に青あざを作っていたかも知れませんね(^∀^)。殺陣は昔からその名を知られた久世竜一門を今受け継いでいる久世浩。なるほど、リアルな立ち回りはここから来るんですね。
 この映画ではテーマ音楽や挿入曲の類は一切使われておりません。エンディングで陣太鼓が長々とその鼓動を響かせますが、この太鼓の音が劇中効果的に使われていました。こんな点も「骨太時代劇」を感じさせる演出だと思います。

 この『蠢動 -しゅんどう-』を観終わった時に、ワテ自身が「言いようのない切なさ」を感じましたが、どの役も「悪」ではないのがそんな気分にさせるのでしょうか。敢えて言うなら家老の用人や、もう1人の主人公「香川」の剣術のライバルの藩士が悪役と言えないこともないですが、それも私利私欲からの行動ではないので、やはり結局誰もが悪くなくて、そうせざるを得ない「武士道」と言う彼らの生きた世の仕組みが「悪」となっているので、怒りをぶつけたくてもぶつける実体がない苦しさ虚しさはかなさが絶妙に演出されています。観終わっても色々考えさせられる映画…。素晴らしいじゃないですか! こうした時代劇映画がもっともっと創られることを願いたいですね。


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おから旦那が映っていた@時代劇専門チャンネル [映画・TV関連]

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 近衛+品川コンビの「素浪人シリーズ」ファンには待ち遠しかった、時代劇専門チャンネルでの『素浪人 花山大吉』での5年ぶりくらいの放送ですが、これが決定したのを知ったのは、年末の「落語時代2」の公開収録の時、品川さんがゲストでトークショーにいらした際に、「春に花山大吉の放送決定」と司会者が言っていたことによります。しかし、その「春」とはいつなのか、気をもんでいましたが、2月頃には「4月に放送」とチャンネルのとある番組でテロップが流れていました。その後すぐに、別の番組で「5月頃」と変更されていて、ファンの間では「一体いつなのよ?」と気が気じゃなかったですが、3月末頃にこの番組に絡めて特別企画が盛り込まれ、ミュージシャンのさだまさしさんが『花山大吉』について色々語るオリジナル番組が製作されることが番組で宣伝されました。もちろん、視聴者からのメッセージ等も募集してましたんで、ワテも大好きな近衛+品川コンビですから、ここはいっちょ下手の横好きな絵を送っておきました。時代劇専門chも、せっかくの大人気番組をやっとのことで東映から借り受けることができたので、大々的にアピールしたいのでしょうね。これまで「~祭り」と称して、様々な人気番組を集中放送していましたが、この『花山大吉』は全104話もある上、土曜日に2話ずつ長いことかけて放送するそうで、それが5月25日からになります。そこで5月5日の今日に、印象に残る話をセレクションし、5話だけ先行放送しながら、途中途中にさだまさしさんの「語り」を加えると言う形になりました。
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 やはり時代劇ファンには圧倒的な人気を誇る『素浪人 花山大吉』ですから、時専chサイトのBBSには、以前からリクエストが多かったのですが、東映もこの大人気番組の放映権をそうそう簡単には譲ってくれないでしょう。何しろ自分のところにも東映chがあるんですからね。そこで放送してチャンネル契約者を増やす道具にもなる訳ですから、時代劇chが借り受ける際の契約金も高いものになるんでしょうね(^∀^)。でも、やはり視聴者の人気が後押しして、何とか再度の放送に漕ぎ着けたので、それを大切にしているのが良く分かります。しかも、さだまさしさんは芸能界きっての時代劇通。面白い話が聞けることを期待させるには充分な企画でした。ワテはミュージシャンであるさださんに、大好きな品川隆二さんの歌うエンディング曲の「風来坊笠」等の素浪人シリーズ主題歌についてどう感じるのか質問を書いてイラストともども送っておいたんです。
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 で、待ちに待った「さだまさし時代劇スペシャル」が今日放送されました! 正確に言いますと、前半の『花山大吉』のやつは終わりましたが、後半の池波作品のものはまだやっています(^∀^)。
 5日は予定を空けてこれを観ていますが、パンパカパーン\(^∇^)/ 何とメッセージを読む回で、ワテのイラストが採用されました~! 音楽についての質問はスルーされちゃいましたが(;´д`)、やっぱり採り上げてもらえると嬉しいものですね!
 その後、『花山大吉』セレクション放送5話も終わりましたが、ここでゲストで福本清三さんが現れ、その斬られ役について語ってらっしゃいました。素晴らしい企画じゃないですか! ワテは西田良さんの話も聞きたいですが、お元気なうちに「斬られ役列伝」みたいなオリジナル番組を作ってもらいたいです。
 さだまさしスペシャルはまだ続いていて、最後には高橋英樹さんとのトークが予定されていて、これも見逃せません。まだまだ楽しんじゃおっと!



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お気に入りビデオ@お笑い [映画・TV関連]

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 以前からダウンタウンのコントやフリートークが大好きでしたが、今年も彼らの番組である、大晦日恒例の「ガキの使いやあらへんで 笑ってはいけない熱血教師」をきっちり録画しておきました。この「笑ってはいけない○○シリーズ」は、前回の「空港」のやつこそまだ入手していませんが、一応DVD化された「ガキの使い」の17巻までは一通り持っています。やはりダウンタウンの魅力は「ガキの使い」と、90年代の伝説のお笑い番組である「ごっつええ感じ」からもたらされたことは間違いないです。彼らが関東進出間もなく、ウッチャンナンチャン・野沢直子・清水ミチ子らと共に行なった「夢で逢えたら」と言うコント番組がありましたが、単独でのものは「ガキの使い」からになります。当時大好きで毎週観ていましたが、本当に松本人志の持つお笑いのセンスは、それまでのものとは一線を画していましたね。あんなに面白かったコント55号やドリフが面白くなくなったと感じて観なくなって、その後に一世を風靡した漫才ブームの頂点とも言うべきツービート(ビートたけし)もまた、多少の年月を経た後、既に「コマネチっ!」と股間に手をV字に当てて叫んでもただただお寒く感じるようになって少しした80年代末頃から、ダウンタウンを筆頭にした若手関西芸人が大人気を博しました。その当時、TVで彼らの漫才を観て、そのとぼけたナンセンスギャグと、突っ込みそのものを笑いにしてしまう手法に、一気に虜になりましたっけ。
 あの頃一線に出てきた若手は、ウッチャンナンチャンやとんねるずらが有名ですが、今では大ベテランですから時間の経つのは本当に早いです(^∇^)。しかし、未だにしっかりとしたお笑い番組を維持しているのは、ダウンタウンくらいですから、やはりその存在感たるやちょっと別格ですね。その後「ボキャ天」等で頭角を表した爆笑問題やロンドンブーツ1号2号等も、今でも活躍してますが、その重みはやはりダウンタウンの足元にも及ばない感じですね。
 では、ダウンタウンと言うか、松本人志の創作するネタのどこがそんなに面白いのかを考えますと、やはり彼の鋭く回転の早い思考回路にあると思いますね。一言で言えば頭が良い訳ですが、ご存知の通り彼らは兵庫のツッパリ悪学校出身で、中学高校時代はほとんど勉強もせずにヤンキーのような学校生活を送っていましたんで、正直言って学はありません。「ガキの使い」のトークでも、あまり勉強してこなかったことからくるそのボキャブラリーの少なさを時折見せてしまいますが(例:まっちゃんが「長蛇の列」を「ちょうじゃのれつ」と言ったり、「コンテナ」が何だかはっきり分からず話に使っていたり)、即席のお笑いであそこまで客を笑わせることができる言葉をすばやく出せるのは、やはり切れ味鋭い頭脳の持ち主だからでしょう。その「笑わせる言葉」は、誰もが思い付くものでは当然面白くありません。意外な言葉でありながら、あまりにも内容からかけ離れたものですと、今度は見ている側が理解できずにシラケます。意外でいて、離れすぎない面白い表現がナンとも言えないおかしさにつながるのでしょうね。
 テレ朝の「ガキの使い」と双璧をなすフジの「ごっつええ感じ」ですが、これはダウンタウンと板尾・蔵野の130R、今田・東野のWこうじ、それにYOUと篠原涼子らで演じたショートコント番組で、毎週たくさんのネタを演じていましたね。良くアレだけのネタを考え付いて、それをセットにして皆で演じていたなと思いますが、やはりそのアイデアをひねり出すのは大変だったのか、5年ほどで松ちゃんがフジテレビのスタッフとちょっともめて終了しちゃいました。でも、その笑いは、今見てもちっとも色褪せることはないどころか、これを超えるものは未だにないとさえ思っています。
 「ごっつええ感じ」には色々なキャラが出てきて、連続物のように続くこともありますが、その中からワテが大好きなコントを列挙してみるとこんな感じになります。
1.「西日本番長地図」(単発)
2.「兄貴」
3.「ゴレンジャイ」
4.「ミラクルエース」
5.「シンガー板尾」
6.「ヘルショッカーなにわ」
7.「挑戦者」(単発)
8.「AHO AHO MAN」
9.「やすしくん」
10.「2014」

 ここらへんは、今売っているDVDにもおおよそ収められていましたが、面白いことに、以前売られていたVHSのものとはかなり内容が異なり、あまりダブっていません。「ガキの使い」のトークは8割以上VHSのものがDVDにも使われていましたが、こちらは7割くらい違いますので、「ごっつ」ファンはVHSも見逃せませんね。
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 せっかくだから、そのVHSのものをDVDに焼き付けましたが、「ごっつええ感じ(11巻)」も「ガキの使い(13巻)」もLPモードでDVD4枚ずつに収まっちゃいました。ですから、トップ画像の「一人ごっつ」を除くものが、こちらの3ケースだけに入っちゃってます。ちなみにもう一つの「男同志」は、ご存知江頭2:50がコンタキンテと共にモーホーネタで売っていた頃のもので、これもVHSからDVDに焼いておきました。エガちゃんは、今でこそ汚い言葉で誰彼かまわず罵りながら下半身を露出させてスタッフや観客を追い回す、困ったチャン芸人のようなキャラが確立していますが、元々生真面目で男らしい性格の好漢です。そのギャグは、本当に体を張ったもので、最近話題になっている「ピーピーピーするぞ」や「がんばれ!エガちゃんピン」等を観ると、彼の凄さが分かります。あの体を張った笑いと言うのは、上島竜兵なんかにも相通じるものがありますが、あくまでエガちゃんはいじられ役ではなく、独自に暴れ回るようなキャラですから、その点では正反対とも言えますね。いずれにせよ、「驚きのある笑い」とでも言えましょうか、彼のああ言った笑いもワテは大好きですね。そう言えば今年の「笑ってはいけない熱血教師」で、エガちゃんがココリコ遠藤に秘技「肛門粉噴射」をぶっかけるシーンがありましたが、ワテは前に「がんばれ!エガちゃんピン」(DVD)でそれを初めて見て、ぶったまげました(笑。凄い芸人さんです。
 ところで、ここにある他のビデオで、「ダウンタウンの流」と「頭頭(とうず)」は、それぞれフナイから出ていた初期の漫才傑作集とVシネマ風ギャグになりますが、前者は漫才の合間に「犬マン」と言うギャグを挟んでいました。これはただの飼い犬を特殊能力のある犬とした上で、悪役の浜ちゃんと戦わせると言う無茶な設定で、その腰砕け感が面白いギャグでした。何か後のAHO AHO MANやミラクルエースに通じるような気がしますね。
 「頭頭」は、最近の松ちゃんが監督した映画と通じるものがあります。「頭頭」も映画と言えるような作品で、おっさんの縮こまったような動物が海で採れ、その頭の部分だけを切り落として、髪の毛みたいなものが食べ物になっていると言う、ヘンテコな設定でストーリーが進みます。その「頭頭」と言う食べ物が、さも当然のように扱われているので、途中から「そんなものがあるのかな~」みたいな、不思議な錯覚に陥りますが、最後の最後にそれを松ちゃんら自身が一気に覆すと言う、不思議な作品です。でも、何か日本のごく一般的な家庭の抱えるじめじめとした陰気臭さ、哀愁を感じ、この流れで後の「大日本人」ができたような気がしますね。
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 その「大日本人」ですが、個人的に大変面白い作品だと思いましたが、評価は割れるようで、多くの人達に「理解できない」「面白くない」と言った評価を下されています。真面目に親から受け継いだ自分の仕事(これが変なんですけど)を、自分にできる範囲でこなしながらも、なかなか認められないばかりか非難されるヒーローの、淡々としながらも物寂し気な様子が、おかしなヒーローによる笑いとともに印象的に描かれていますね。ただし、最後のシーンはウルトラの家族のような連中が出てきて、急にCGではなく特撮にしていたのは失敗のような気が。あえて松ちゃんは「昭和のヒーロー」を「特撮」と言う形で表したそうですが、余りに突飛でしたね。それまで最強だった怪獣が、突然可愛いぬいぐるみみたいになって、ウルトラ家族に寄ってたかってフルぼっこにされるんですから、ちょっと興ざめされてもおかしくない仕上がりでしたね。最後までCGで仕上げていたら、もっともっとすっきり評価された映画のような気がします。
 「しんぼる」は白い部屋に閉じ込められた松ちゃんが、壁の中にもぐりこんだ無数の小人のエンジェルのおちんちんに囲まれ、それを押すと、訳の分からないものが突如できる壁の穴から出てくる設定で、このおちんちんが「しんぼる」な訳です。この部屋から抜け出そうと、色々な「しんぼる」を押すのですが、なかなか上手くいきません。で、別の世界が映し出されます。それはメキシコのとある家庭の様子で、ここの主人が覆面レスラーなんですが、これがどうにも頼りないレスラーで、体付きもビール腹のおっさんそのものと言う感じ。そのさえないパパさんレスラーが、後半で突如周囲をなぎ倒すようなパワーをみなぎらせますが、これも「しんぼる」に関連しています。ネタばらしになるので、この辺でやめときますが、この作品も、松本人志流とも言える「哀愁のおっさんの笑い」が絡められていて、かなり面白いものでした。一応、ワテの解釈を加えておくと、この世から旅立って行く松っちゃん演じる寝巻き姿の男があの世に至るまでの様子と、現実世界のメキシコの覆面レスラーの家族が、目に見えない何かでつながっていて、そのスイッチが「しんぼる」になっていると言う設定のようですね。ただ、やはり評価は割れる作品で、なかなかその可笑しさが理解されないみたいです。
 この後にも「さや侍」と言う作品を創った松ちゃんですが、そこでも「おっさん」をそこはかとない笑いに仕上げる手法で、大笑いではない、考えさせられる笑いのような可笑しさを追求しています。この方向性は、「頭頭」の時から観られた手法ですが、直接それが分かるのは「働くおっさん人形/劇場」のTVシリーズからになります。事実ここで採用された一般人の“おっさん”の野見さんが、「さや侍」の主役を演じていますからね。松ちゃんは「笑ってはいけないシリーズ」でも中高年の一般人を上手く使っていましたように(例:おばちゃん1号・3号や新おにぃ等)、そうした一般人の中で個性的な人を上手く操り、上手に笑いに変換していますが、彼自身がそうしたプロが生み出せない素人の意外性のある可笑しさを好んでいるんでしょうね。
 松本人志と浜田雅功は、今ではほとんど二人で漫才やトークをこなすことはなくなってしまい、それぞれ違う道を進んでいるかのようにさえ見えるものの、「ごっつええ感じ」で演じていた「2014」と言うギャグは、自分らが50歳の大台に乗った時にどうなっているかを自虐的に演じたものですが、そこではクサいべたべた漫才師みたいになった自分らが描かれていました。でも、2013年の今ですら、大晦日の6時間以上の年越し番組を任せられる大人気コメディアンなんですから、本当に見事な芸人人生と言う感じですね。今後もたっぷり楽しませてもらいたいです。


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落語時代公開収録@時代劇専門チャンネル [映画・TV関連]

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 先日申し込んでおいた時代劇専門チャンネルの「落語時代vol.2」公開収録のチケットが当選したことはご報告しましたが、14日に朝日新聞社の浜離宮ホールで開かれた寄席に行ってきました。150組300名の抽選に当たったのは本当に有り難いことで、ワテのおっかさんを連れて見に行きましたが、昔良く来ていた『素浪人 花山大吉』に出演していた品川隆二さんがゲストに来るのを母も楽しみにしていました。我が家は歌丸師匠の家からすぐ近くにありまして、もっと近くには大衆演芸場もあって、落語も結構好きなんですよ。ですから、柳家喬太郎師匠のお話も楽しみでした。
 5時半に当選した封筒とチケットの交換が行われ、画像のお土産グッズも頂いて入場した後、6時に開演となりました。
12年11月14日落語時代会場メニュー520.jpg
 何人かの前座の落語家さんが話した後、真打ちの柳家喬太郎師匠の話があって、ちょっと休憩の後、いよいよトークの時間になりまして、品川隆二さんが少ししてからご登場! いやぁ、品川さんの話は本当に流暢で、下手な落語家さんよりもぜんぜん上手いのにはビックリでした。客席からは「ほ~っ!」「わっはっは!」と言う声がしきりに上がっていました。
 話の内容はこれまで既に品川さんが話されてきたことがほとんどでしたが、かつて古今亭志ん生師匠と競演された時のエピソードや、「焼津の半次」のキャラの原形が『次郎長血笑記』での森の石松役で、当初は別の役を演じるはずが、何故か石松役しか残っておらず、そこではじけたキャラを演じたのが「半次」につながったと言う話など、あっという間に時間が過ぎてしまうような、興味深い話で満載でした。
 他にも、『忍びの者』を1年間撮って石川五右衛門を演じていて、それが気に入っていたことと、『素浪人花山大吉』が終わって自分では気に入っていた役の『さむらい飛脚』で大コケしたことを自ら笑って話されてました。『花山大吉』でのアフレコの話や、「下から目線」を心がけた「半次」の演技など、本当に有意義な話を楽しく聞くことができて、最高でした! ちなみに、アフレコの話ですが、「口の動きと0.3秒ズレたらアフレコとバレちゃうけれど、0.1秒なら分からない」とのことです。撮影の際はかなり台詞もその場限り的なものがポンポン飛び出ていて、「そんなものは何を話していたか覚えているはずがないから、後からそれに合わせて丁度よい台詞を作った」とか、速記の人に書いてもらって、それを改めてアフレコの台本にした」とか、意外な裏話も面白かったです。「下から目線」の話ですが、品川さんは「お客様に媚びてはいけない。お客様は絶えず上にいて、それにすがるのではなく、自分の力でお客さんを楽しませるように、下から目線で(自らを辱めても上の人を立てると言った意味で)演技するように心がけていた」と言う旨の話をされていました。
 他に、司会の女性アナの「年齢はおいくつですか?」との問いに、「去年80で、今年も80、来年も80(笑)。80から歳はとらないんです」とおっしゃってました。でも、同時に「今癌を患っていて、これまで3回手術しまして、この後も4回目の手術が待っている」とのことで少々心配ではありますが、現在は本当にお元気そうで、一緒に連れて行ったワテの母も、「80になっても鼻筋がピンと伸びていて男前のまま年を取っているねぇ」と言っていました。ワテも正にその通りだなと思いましたよ。
 そう言えば、途中で柳家喬太郎さんが少しだけ時代劇に登場したシーンが映し出されましたが、それについて「カメラを固定するのではなく、こちらに移動させて顔のアップを一瞬でも挟むべき云々」のように、プロ中のプロの目線での真摯な指摘に、喬太郎師匠も感激されてました。
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 品川さんのトークは15分くらいを予定していたのか、お話が盛り上がって25分くらい話されていて、予定が少し変わったのかも知れません。そのいためか、品川さんへの質問タイムは設けられず、当然のことながらワテが書いた質問事項も闇に葬られました(笑。品川さんは先に楽屋に下がって、これから京都に直ぐ帰るとのことで、ワテも「燃えていこうよ/男が命を賭ける時」のレコードと本を持って会場から出てサインを頂こうとしましたが、スタッフに伺うと「難しい」とのことで、諦めざるを得ませんでした。その後も寄席は続き、最後にもう一度喬太郎師匠の話があって、9時近くになって全てのプログラムが終了しましたが、品川さんはもう楽屋を出られて帰路につかれていたので、サインは後日の課題になっちゃいました(;´д`)。
 それにしても、品川さんの話しっぷりは本当に見事でしたね。年明け早々に時代劇専門chで放送されるとは思いますが、トークショーはノーカットでお願いしたいものです。ワテは品川さんのサインを貰えなかったのが心残りで仕方ないですが、次のチャンスを信じて待つことにします(^∀^)
 最後に朗報ですが、来年の春には『素浪人花山大吉』の放送予定があるとのことで、これからの時代劇専門チャンネルの「若メール」は要チェックですね!


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