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駄モノの呪い@'80年代カメラ [トプコンカメラ]

TopconRM300CimkoLS1img.jpg
 先日、トプコン最後の一般向けカメラ、RM300(左―輸出専用)と、トプコンが生産直前まで作ってカメラ業界から撤退してお蔵入りになったAM-1をそのまま下請けのシィーマが引き継いで83年頃から発売したシムコLS-1(右)を引っ張り出して、それらのズームレンズのテストがてら写真を撮って遊んでいました。その時のテスト・レポはTOPCON CLUBのBBSの
こちらにあります(初めての人は最初にスパム対策のためパスワードページが出ますが「ic1auto」と一度打ち込めば以降フリーになります)。面白い結果になって、駄モノカメラも使っていて楽しいものです。

 その後ちょっとして、アメリカのクサレものをいっぱい売っているとあるショップから、そこそこの値段でリンデンブラットKL-2と言うカメラが出ていたので、購入してみました。このリンデンブラットと言うカメラは、シムコLS-1のネーム違いで、ずっと前から探していたものの、ほとんど出てこなくて諦めていたカメラなんですが、駄モノであることに変わりありません(笑。
 そのショップのHPには文書しかなかったので、写真を送るように請求し、状態を尋ねておいたら、程なくちょっとピンボケ画像だけがやってきました。元箱付きなので、あまり状態が悪いとは思わなかったんですが、購入してびっくり。梱包は丁寧で、箱を開けるとカメラはプチプチにぐるぐる巻かれた状態でしたが、カメラ自体は「ひでぶ」状態。
LindenblattKL-2a.jpg
 軍艦部一体のペンタカバーの線に沿って亀裂が入ってまして、「まぁ、これならプラスチックだから裏から接着剤をべったり塗って固めて、最悪、表から塗り直すか」と思いましたが、レンズ無しのマウントを見ると、ミラーが上がりっ放し。シャッターも下の幕が下り切らない状態で、上のやつがちょっと下がっています。巻き上げも不能なら、シャッターボタンも押せません。
 丁度ライカR3がダメになって色々いじっていたんで、同じようなコパルスクェアシャッターですから、とにかく底蓋を開けて、巻き上げを止めているストッパーを解除してレバーを巻いてみると、戻す時にシャッターの下幕も途中まで下がります。上幕は何度かやっているうちに下がってこなくなりましたが、ミラーは上がったまま。何度巻いてチャージしても同じことの繰り返し。
 話にならんので、とにかく軍艦部を外して、できる限り分解することにしてみました。
 一通り外してちょっといじっていたら、何か中からカチャカチャ音がします。すると、ミラーボックスに親指の爪くらいの白い板のかけらが出てきました。これを取り払ってシャッターを巻くと、ミラーも下がり、シャッター自体も正常に戻って切れてくれます。この白い板がどこかに引っ掛かっていたんでしょうね。
 で、その板を見ると、片面に電気の流れる線がプリントされています。マウント部から絞り値の伝達レバーを動かしてみると、ペンタプリズムの前部の隙間から、二本の細い金属のアームが動いています。左右を見ると、白い板のようなものがちょっとだけ頭を出していますが、アームが当たる部分の板が、途中で欠落していてブラブラしています。その片側を取ってみると、完全に割れた状態で外れました。
 仕方ないので、これを接着し、裏から薄いプラ板を貼って補強するようにして、くっ付けている最中です。でも、反対側の端は当初からネジ穴のところから割れてボディから離れていましたが、画像の〇部分のようにコードが付いていて、切り離さないと外れません。それに、外した方の板も、割れている以上、電気の流れは期待できないので、後から割れたところの線を、それに沿って半田付けしないとイカンでしょう。同じようにコードの付いたところも半田で板に結び付けてやろうかと思っています。
 さて、電池を入れますと、絞りがこんな状態だから話になりませんが、一応アンダーの赤ランプが、感度3200にして電灯に向けると、1/30のところで黄色ランプが点きます。手でマウントを覆うと赤ランプが点くので、露出計は生きているようでホッとしました。
 後は摺動ブラシの板が上手く付いてくれるかどうかですが、どうも白い絶縁板が4箇所も割れているので、付けてもすぐダメになるだろうと思い、トプコンRE200のジャンクがありますから、それから外してみました。
RE300parts.jpg
 これは白い板ではなく緑色ですが、摺動ブラシが当たる銅のプリントは上下二段で同じな上、板自体の大きさもほぼ同じなので、上手くすれば使えそう。と言うことで、これを改造することにしました。
 やはりトプコンで末期に設計したカメラ同士ゆえ、その点は助かりましたが、片やREマウントで、もう一方はKマウント。絞りの向きが異なり、ブラシが当たる面も表裏で逆でした。また、取り付けネジ穴の位置が全く異なるので、新たに開けなければダメ。リンデンブラットのものは片側がアースも兼ねています。
 板を良く見ると、上下2列の電導線にそれぞれコードが半田付けされ、同時に一つがアースに繋がります。トプコンRE300のアースは画像のようにコードでボディに導いてますが、都合良いことに、アースへと繋がる銅線の途中に穴を開ければ位置的にリンデンブラットにフィットします。ただし、反対側に穴を開けると、別の線が断たれるので、結局片側だけネジ止めすることにしました。
 それを取り付けて早速電池を入れると、ファインダー内のLEDが、一番下のアンダーの赤からちょっと上のオレンジに移り、電灯に向けると1/1000をオーバーします。絞り伝達レバーを動かすと、LEDが上下してくれます。
 「うぉっ!やったー!」と喜んで、全体の組み立てに入ります。
 軍艦部とマウントカバーはプラスチックで、割れていたため、裏から接着剤を厚く塗って固めておきました。ただ、そのままでは表面から亀裂っぽいのが丸見えで、これを少しでも隠すため、カー用品の黒っぽい薄付けパテを塗って、段差をなくし、磨いてみましたが、まだまだこれですと不自然なので、後日極細コンパウンドで仕上げてみます。
LindenblattKL-2img.jpg
 とりあえずの仕上がりですが、レンズは付いていなかったので、手持ちのものから適当に。これでバッチリかと思ったのもつかの間、露出計はすぐ1/1000秒をオーバーするか、1秒を下回るかで、赤ランプがしょっちゅう点きます。途中のシャッタースピードになかなか落ち着いてくれません。これではAEは使えないので、マニュアルはどうかと試してみると、スローから高速まで、きちんと作動してくれます。やはり摺動ブラシが不安定なのがイカンのでしょか。元のものを上手く再生させて一度それを使って試してみないといけませんね。
 また、あの頃のカス値のジャンクカメラを探して、部品取りに使い、是非ともこのリンデンブラットを普通に使えるようにしたいです。マニュアルならもう使えるんですけどね(^∀^)。
 しっかし、あのカメラ屋、こんなものを平然と100数十ドルで売るんだから、ちょっといい加減すぎますね。ずっと前にeBay経由で買ったことがある店だったんですが、その時も駄モノを買ったっけ。そこそこ知られた店なのに、何か悲惨。あんなものまで少しでも高く売ろうと言う彼らのやり方に、逆に哀れさを感じちゃいました。


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