撮影日

一昨日の水曜日に某BS放送の番組制作スタッフとともに、我が成層圏君の走る姿を撮影すべく、山梨の林道に行ってきました。
突然メールで依頼が来たのがGW直後で、話によると以前ディノやロータスヨーロッパ、ミウラ、カウンタックに512BBを放送したそうですが、その時はこの5台で一旦終了したとのことです。
しかし、その「スーパーカー」番組が結構好評だったらしく、第二弾として再開することになったんだそうです。
何でも、局から出る番組制作費はとても少なく、車を出して走らせて長らく話をする所有者には、申し訳ないけれど出演料は出ないと前もって言われましたが、燃料代と高速料金、食事代は持ってくれるそうです（←当たり前か＾＾）
それでも何らかの事情がない限り、多くの場合その条件でオーナーさんは快諾してくれるんだそうです。
言わば著名人を使って多額の出演料を払うことなく、それでいて“著名車”を無料で使って興味深い番組を安く仕上げるのですから、これは局側からすると有り難いもので、オーナーさんの心理を上手く利用したものと言えるでしょう（笑。
と言うか、番組制作会社の皆さんにはあまりお金は下りてこないので、彼らからするとその小額な中で自分達の給料から制作にかかる費用等の全てをまかなうことになるのですから、大変な話です。
こちらも別段車を出したからと言って例えば1万円もらったところで嬉しくも何ともないです。
ワテも前後の日が仕事でしたから、少々準備する時間が取れずに面倒な面もありましたが、それでも自分の車が走る姿などこれまでほとんど撮ってもらったことがないので、興味がてらお受けしました。
つまり、オーナー心理を突いたワナに引っかかったんですな（爆。

撮影日が6日に決まり、その前の1日に前もって打ち合わせをすることになったのですが、当日番組のディレクターさんとメールをくれた方が来て話をしたところ、林道でのダート走行を今回のメインテーマにしたいとのことでした。
その前に車の確認に来た時に話をしたことや、こちらのブログなどで走った様子を公開していたので、それを見聞きして、「スーパーカーでダートを走るとは視聴者も興味あるだろう」と考え、これはイケると思ったのでしょう。
逆に打ち合わせの際にこちらでもお勧めコースを紹介したのですが、林道以外はことごとく変えられちゃいまして、せっかくいいワインディングがあるのに、高速道路と林道のみになってしまいました。
また、話の中で「途中、スーパーオートバックスで馬力測定をしたい」と言われましたが、ワークスカーはともかくこれはストラトスのような車には全く無駄な話で、そう言ったものは馬力や最高速を競うような車でやってもらいたいので、「恒例ですから是非」とお願いされましたが、丁重にお断りしました。
個人的には成層圏君はスーパーカーと言うよりラリーカーであると思っていますので、やはりそんなところより峠道での颯爽とした走りやダートで砂煙を巻き上げて走る姿の方が楽しかろうと思います。

朝7時にスタッフが到着し、1時間半ほど駐車場であれこれ撮影して出発。
首都高狩場線から保土ヶ谷バイパスに入り、東名高速で御殿場まで行って東富士五湖道路に乗って富士吉田で下りてからは国道をとことこと北上します。
現場に到着するまでは高速道路をスタッフの車と併走しながらの撮影になります。
その中で色々な話を車内でするのですが、コ・ドライバー側にはビデオカメラを持ったスタッフが座り、運転の様子をカメラに写しています。
併走する車からもディレクターさんが自分で身を乗り出してカメラを回しています。
一応初めから決まっていた予定がコロコロ変わったり、70km/hでゆっくり走る高速道路の暑さに参ったりして、少々イヤになっていましたが、やっと林道に到着です。
入口付近でコメントするところから入るのですが、その話の内容も概ね決まっていて、それに従うことになっていました。
そこで言われたのが、「せっかく林道に来たのだから泥で汚した車を写したいので、この辺に水を撒いてくれ」と言うことをスタッフに要求する話をしてくれとのこと。
ワテは当初、「？？？そんなことワテが頼まなくてもそちらで勝手にやればいいのに？？？」と意味が分からなかったのですが、何とそれは他のスタッフを動かすためにワテにお願いして欲しいと言うものではなく、そのやり取りの様子をカメラに収めるのが目的なんだそうで、正直言って「はぁ？」と思いましたよ（笑。
「林道を走る人で、わざわざ泥に汚れたくて水を撒く人なんている訳ないじゃん」と思って、そのコメントはあまりに恥ずかしいので、お断りしました。
実際ダート走る人は泥汚れなんて何とも思ってませんから、水溜りがあれば何の気兼ねもなく通るでしょう。
でも、それは自然の成り行きで、わざわざ道に自分で水を汲んで撒いてそこを通って泥で汚し、それを見ていい気分になる人なんて、まるで変なナルシストっす（＾＾）

ところで、撮影は林道を何往復かして、外でカメラを立てて撮ったり、車内で運転の様子を写したり、スタッフの車から共に走って撮るることも、成層圏君に小さなカメラを吸着させて撮ることもありました。
何度もエンジンを切ったり掛けたりして狭い中でターンさせることも多く、その場の思い付きであれもやろうこれもやろうとなりますから、少々注文の多いのが気になりました。
車体は一回目に道の状況確認のためにダートを数キロ走った時点で砂埃で真っ白（←元々白いんですがね＾＾）
ちょっと飛ばせたのはこの一回こっきり。
後はカメラを車体に吸着させていることや、スタッフの車と併走したりすることなどから、大体40km/h以下の走行でした。
もちろん、飛ばして走る姿を何点か撮りましたが、スピードがあまりにオーバーしているような様子があからさまになると、視聴者からのクレームが多くなるので、あくまでも法定速度内でと言われていましたから、元々楽しめないものだと割り切ってはいました。
ここしばらく天気が良かったため、スタッフお目当ての水溜りはありませんでしたので、最後に水撒きをして林道での撮影を終了。

番組では一番最後のシーンにあたる、「今日一日走ってどうだったか」と言う話をする場所の河口湖に到着したのが夕方で、日の沈みかかったところを景色の良いところで撮りたかったので河口湖を入れておいたそうです。
しかし、自分では河口湖などバス釣りで10数年前に来たきりで、普段はそんなところは通りもしませんから、「ストラトスのオーナーがどのようなところをどのようにして走って楽しむのか」と言う番組の基本的なテーマからは外れています。
「それなら林道の向こう側に景色の良い舗装済の峠があるから、ワインディング走行を撮りがてら、そこでやれば良いのでは」と提言しましたが、それは却下。
結局ほとんどヤラセ的になっていますが、そこはスタッフの方でうまく処理してくれるのでしょう。
撮影の中で個人的に走りを楽しむことができたのは林道でのほんのわずかな時間だけでしたけどね。
ただ、仕事抜きで話をしている限り、スタッフの皆さんは人の良い気さくな方達で、その点はなかなか楽しかったですよ（＾＾）

コメント 15

撮影お疲れさまでした〜。
やっぱりテレビ番組の撮影というのは、つくる側の「こういう番組をこういうテーマ・内容でつくりたい！」という意志と、撮られる側の現実とにギャップがあるものなのですね。

私もものづくりをする世界の人間ですが、テレビのようにつくりありき、ではないので、どうしても違和感を感じてしまいます。。。（もちろん、彼らが悪い人たちではないし、彼らのプロフェッショナリズムはすごいと思います）。

本来創るべきものと、創りたいもの・売りたいものに差が生まれちゃってるテレビのようなマスなメディアの作り手って、なんか悲しいものがありますねぇ。。。

それはさておき、BS が見れないので、ストラトスの勇姿がみれないのが残念！
某コミュで上映会とかできたらいいなぁ（笑）。
by ('w') (2007-06-08 13:42) 

('w')さん、ようこそ～！
はっきり言ってかなり疲れましたよ。
やっぱ夜型人間のワテには、朝7時からのスタートは厳しいです。
前日仕事が普通にありましたが、午後7時には早退させてもらって翌日の準備をしました。
でも、そんな短時間にできるものではないので、結局寝たのはいつもよりかえって遅い午前3時過ぎ。
ですから、2時間半しか寝られませんでした。
スタッフの方もやはり眠いのか、河口湖で解散のはずが、急遽高速を走っている時の音だけ録りたいので、東富士五湖道路～東名高速にかけて、窓を閉めた状態で話もすることなく走らされる羽目になりましたものの、その暑苦しい車内でビデオカメラを抱えたままスタッフの方は寝ていました。
＞違和感を感じてしまいます
確かにそうですねぇ。あまり林道やラリーについて知らない方が構成を決めていくのですから、これは仕方ないことなのでしょうが、やはり「そりゃ変だろ」と思ったことはしっかり伝えてNoと言わないと、恥をさらすのはのは善意でやっているこちらになっちゃいますからね（＾＾）
＞某コミュで上映会とかできたらいいなぁ
放映は7月の初めか半ばのどちらかで、既に撮ってあるトヨタ2000GTが先か成層圏君が先かは分からないそうです。
その後でデ・トマソ・パンテーラになるみたいです。
ワテの手元には放映後になってDVDが送られてくるとのことですから、それさえ来ればいつでもこちらはOKですよ。
是非遊びにお出で下さいまし。
by トプ・ガバチョ (2007-06-08 15:53) 

お疲れでした！
大変そうだけど、いい記念になりますね。それにオーナーまで出演とは知りませんでした（＾＾）
ＴＶのスタッフも、古い車好きのスタッフ選抜なら、もっといい絵が撮れたかもしれません。
ひとまず放映が楽しみです！
ブログでも動画放映していただけると嬉しいですけど。
by くっさん。 (2007-06-08 16:08) 

くっさん、有り難うございます！
確かにいい記念になりました。
こうした依頼は滅多にないことですからね。
BS-Jと言うTV東京系のチャンネルですので、くっさんの方では見られるのかな～？
部分部分で動画としてアップできるところがあれば許可を取ってみますが、多分スパクラ.comと言うHPで、7月以降ショート版をアップすると思われます。
by トプ・ガバチョ (2007-06-08 19:20) 

撮影、無事終了したんですね～お疲れ様です（＾＾

雑誌もTVも多かれ少なかれヤラセ的な撮影はお約束ですね！（笑）

私も某CSのクルマ番組に出たことがありますが、BSよりもっと予算も少なそうで、小さなカメラ1台で撮ってましたよ（笑）
ただその撮影が、マーコス2台を先行する『メッサーシュミット』の後部座席から後ろを向いて撮影するという、なんとも変態的な風景でした（笑）

BSなら、バッチリ見れるので、録画しまっす！！
楽しみですね～
by couz (2007-06-08 21:23) 

couzさん、どもどもです！
couzさんの眞亞超す君が撮られたのはひょっとしてモンド21の車番組で？
今のところ「20世紀の名車たち」には出ていなかったから、その他の番組なのでしょうか？
CSは再放送が多いので、また見られる可能性もありますんで、ｵｾ-ﾃ下さいまし。
メッサーシュミットの窓越しにマーコス・ミニGTとは、確かに逝ってますね（＾＾）
面白そう！
by トプ・ガバチョ (2007-06-08 22:09) 

フジ系で放送された、『ガレージ番長』という、渡辺和博さん（故人）、有野晋哉さん（よゐこ）が司会をされていた番組です。
『20世紀の名車たち』に比べるとバラエティ色が濃いかなぁ（爆）
もう2、3年前かな？
さすがに再放送はなさそう（笑）
遊びに行くときにDVD持って行きますｗ

モンド21の『20世紀の名車たち』は、友人がトライアンフTRシリーズのの回と、スピットファイアの回にで出てます（笑）
残念ながらウチでは映らないので、見たことありませんが（笑）
by couz (2007-06-09 05:35) 

訂正
『トライアンフTRシリーズ』と『フィアット124スポルトスパイダー』の回でした(^^;
by couz (2007-06-09 08:24) 

couzさん、お早うございます。
「ガレージ番長」知ってますが、CSと言うより本放送でやってたものではなかったでしたっけ？
まあ、ワテが見たのはCSのどこかのチャンネルでしたから（それも1回＾＾）、もうすっかり忘れてます。
ところで、「20世紀の名車たち」のトラとフィアット124の回はケーブルTVの受信機のHDDに録画してありますぞ～（＾＾）
by トプ・ガバチョ (2007-06-09 09:46) 

ガレージ番長はCSのフジテレビ721での放送でした。
結構昔の番組なのに、今年4月の某サーキットイベントで、全然知らない人から、
「ガレージ番長、出てましたよね！！息子がこのマーコス大好きなんです！」
って声かけられました（笑）
息子さん（8歳くらい？）座らせてあげたら、すごく喜んでもらえましたよ。

「20世紀の名車たち」今度みせてください～(^人^)ﾀﾉﾝﾏｽ-
by couz (2007-06-10 20:00) 

もち、いいっすよ。
お土産用にVHSで録画しときます（デジタルでは一回しか録画できないので、HDDに入れた時点でDVDにはコピーはできないんですよ）。
逆にマーコスが映っている「ガレージ番長」、見して～！
by トプ・ガバチョ (2007-06-11 01:10) 

撮影お疲れ様でした～
BSあるけどアンテナつないでないので何とかしなければ！
かみさんに自慢しよっと！
楽しみです！！
by よリよリ (2007-06-11 21:03) 

よりよりさん、そんな立派なものにはなってないっすっよ（＾＾）
何しろ、これまでの車に比べて、そりゃもう汚いですから。
まあ、だからこそダートを走っても惜しくないんですがね（笑。
by トプ・ガバチョ (2007-06-11 22:52) 

いやいや大変な取材なんですね＾＾；；；
BS見れるんですが、録画する機材が壊れているので逃せません!!!!
今からハラハラなんです＾＾；
某コミュで上映会いいですね！
まあ、まずはテレビを期待しております＾＾。
お疲れ様でした。
by ニッパチ (2007-06-17 15:03) 

そうですね。やはり疲れましたよ。
ストラトスは3段階の車高の調整が可能なんですが、この話を朝駐車場でしたんですね。
すると、これを途中でやってくれないかと言われ、さすがに困りましたよ。
ジャッキアップしてホイールを外してフロントはWウィッシュボーン、
リアはマクファーソンストラットのアームとショックアブゾーバーが連結されているところを外して位置を変えるんですから。
他の車よりは簡単ですが、いくらナンでも林道の入口でできないかと朝言われた時には「予定ってナンなのかな」と思いましたよ（笑。
まあ、でも皆さん人柄が気さくな方たちだったので、気分的な疲労はほとんど感じませんでした。
車は結構ダートを走ったので、要調整の部分が出てしまいましたが。
by トプ・ガバチョ (2007-06-17 23:02)