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ストラトスの漫画@Tipo誌 [ランチア・ストラトス]

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 数日前に何気なくAmazonでランチア・ストラトス関連の雑誌でもないかなと思って検索していたら、この『BOLTS AND NUTS!』と言う漫画がヒットしました。何かストラトスを描いた表紙が面白そうだったので、早速注文。1日で届くのがAmazonの良さですね~。
 この本は、毎月『Tipo』誌に連載されている、田中むねよしと言う漫画家が描いているものを単行本にまとめたものです。購入したのは第20巻になります。期待しつつ読み始めてみると、何か70年代アメリカ仕様の車の話やディーノの話などを、3人の登場人物で話し合っているようなストーリーが続き、一瞬「何これ?」と思いましたが、途中から筆者と思われる主人公がスーパーカーブームの少年時代に何かの催しでストラトスに乗ったことや、その後オリジナルを運転させてもらった話、さらに後にCAEレプリカを運転した話等、思い出話を喫茶店だかファミレスのようなところで他の登場人物と話すと言ったシチュエーションでした。
 「ふーむ、ここで描かれているアクセルペダルは、ブレーキ&クラッチと同じ吊り下げ式だが、ワークスカーはともかく、本当はセンターコンソールから横に出た踏み下げ式なんだが…」などと、細かいことに突っ込みを入れつつも、面白く読ませて頂きました。ただ、『GT roman』で有名な西風さんのマンガとは全く異なり、「走り」がほとんどないオタク系の主人公の体験と妄想がほとんどで、他の車で固められた別の巻は、正直言って読みたいかと言うと「否」。やっぱり車同士の走りをからめての話なら、ランチアだろうがどのメーカーの車だろうが、面白くてついつい全巻買っちゃいますけどね。例えば、バイクものの『キリン』で有名な東本昌平さんの『SS』なんか、ランチアは1台も出ていませんが(厳密にはちょっと解説的なシーンでデルタS4&トイボネンが描かれますけどね)、ぞくぞくするほど面白かったですもん。その点ではこの田中むねよし氏のストーリーの展開方法はちょっと残念でした。
 ストラトスの話は2話であっさり終わり、スーパー7やその他のオープンカーの話、スーパーカーブームの話やべスパの話等が続いて、もういいかなと思ったら、突如舞台が72年頃のイタリアに移り、タルガフローリオで初期の未公認の頃のマルボロ・ストラトスに立ち向かおうと、段付きアルファGTAを無茶な改造をして軽量化を図って失敗する、イタリア人エンスーが主人公の話になります。これは、それまでと何の脈略もないものですが、「走り」をメインに置いたもので、とても面白かったですね。ナゼこのキャラを主人公にして話を続けないのか、ちょっともったいないと思えるものでした。
 その後はまた本人の空想話やスーパーカーブームの思い出に戻り、この巻は終了。せっかく良い絵を描く腕があるんだから、もっともっと走りを前面に出したキャラでの話にすれば良いのにね(^∇^)。そう言えば12月に発売された、我が成層圏くん&でる太くんの映っている『Tipo』1月号にも当然彼の連載がありましたが、何か初心者のねーちゃんがミニに乗り始める話でしたから、タイトルこそ不変でも、内容は突如として変更してしまうようですね。
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 ちょっと気になったので、いつ頃から連載が始まったのか確かめるべく、古いTipo誌を引っ張り出してみました。87年頃から色々な車雑誌を買っていましたが、特にデルタ16Vに乗る前辺りからは、とにかくランチア関連の記事があればどんな車雑誌でも買ってましたね。Tipoもケツの青い当時のワテには面白い外車専門誌で、良く買っていました。今は大半が段ボール箱に押し込まれてどこかに追いやられてますが、ランチア関連の特集号は本棚に立ててありましたんで、その辺からピックアップしてみます。
 左の037ラリーが表紙を飾っているのは91年9月号で、ミッドシップカーの特集でした。ランチア・ラリー&ベータ・モンテカルロがその中で使われていました。特集外ではアルピーヌA110のことが書かれていて、面白い内容ですが、まだこの頃にはマンガは連載されていませんね。
 隣のデルタ・マルティニ5が表紙を飾った号は、92年の12月号で、特集は「今が旬のエンスー車」となった、何ら脈略もない新旧国産外車が色々な値段別にとりとめもなく並べられたものでした。単独の車の記事としては、アルファ155と75、ランチア・デルタのものがそれぞれ4ページずつ特集されていました。で、マンガがあるかと思って見てみると、ありました。「桜新町の懲りない面々」と言うタイトルの、広井てつおと言う方の作品が載っていました。Vol.4ですから、92年の9月から始まったんでしょうね。内容は中山蛙さんらも登場するエンスーもので、Tipo誌の編集スタッフがミニを色々いじってサーキットで楽しむ様子が描かれていましたが、さすがにスタッフを描いたものでは、内輪でウケても、あまり読者の心を掴むのは難しいかも。ぶっちゃけ、ワテもこのマンガの存在そのものが記憶に全く残ってませんでした。
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 で、こちらですが、左のまたもや037が表紙を飾ったやつは93年8月号で、037ラリー・ストラトス・Fiat131ラリー(どれも赤)が巻頭特集になってます。それに続くようにデルタEVO1が10ページにわたって特集され、さらにアウトビアンキA112の記事が5ページ続きます。他の特集では、プジョー205やアラードJ2Xと言うクラシックカーのものが見られます。マンガですが、この頃はまだ「桜新町云々」が続いていましたね。
 画像には出していませんが、95年8月号はマルボロカラーのワークス風ストラトスが表紙を飾ってる号がありますが、この号では田中むねよし氏の「ボルト&ナット」の連載が始まっていました。それによると、Vol.7ですから、このマンガは95年2月からの連載開始になりますね。2013年の2月の今、丸18年が経過している訳ですから、かなりの長期連載です。
 画像真ん中の96年10月号は、阿部商会が昔所有していて、カーグラフィック誌でも80年代初めにテスト記事が書かれた本物のGr.4カーでピレリカラーのセミ・ワークスモデルが表紙を飾っています。これは今どちらで保管されているのか分かりませんが、大変貴重な車両です。
 おっと、話が横道に逸れましたが、初期の「ボルト&ナット」は、田中むねよし氏が乗っていらしたロータス・エランとの日常のふれあいを描いているようです。色々と旧車に乗る皆さんが共有する故障その他の苦労話に加え、様々なモディファイや改良等、エンスーな話が続いていく訳です。ワテはこの頃からあまり車雑誌は買わなくなり、このマンガがどのように展開していったのかも知りませんが、ネット上で検索してみると、どうも田中さんご本人がエランを手放して、マンガも一旦その流れが途絶え、喫茶店でオタクが思い出&妄想話を語り合うと言った形態に変化したみたいです。そこで
結論ですが、『BOLTS AND NUTS!』は、エランとの奮闘記の巻までは面白そうですが、喫茶店だかファミレスだかでのエンスー談義になってからの巻は、自分のお気に入りの車を題材にした話のみ買うのがよろし(^∀^)v

 それにしても、表紙の赤いストラトスの絵は焼き芋みたいにもっこりしてますな~(^∇^)v


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薄青

私、そのマンガに本名で『出演』してますよ(笑
by 薄青 (2013-02-15 14:24) 

トプ・ガバチョ

>薄青さん、ちわっす!
へっ?(;゜д゜)そうなんで?
この巻にはこれと言ったのは見当たりませんでしたから、おそらくエランネタの頃に、リーゼントな薄青さんが描かれていたんでしょうね。
ちなみに何巻で?(ホスイ…)
by トプ・ガバチョ (2013-02-15 18:21) 

HIRO

こんにちは。
先日、偶然書店の車バイクコーナーにあったので、買っちゃいました。

記憶が確かなら?むねよしさんは、結婚して数年後にアパートから戸建てに移る?際に、”1年限定で75を買って…”という所までは、自身の車生活の話だったのですが、その後の腱鞘炎とかの手の病?で、エランとかも手放したという短い話が連載にあったような…
by HIRO (2013-02-15 22:36) 

トプ・ガバチョ

>HIROさん、こんばんは!
腱鞘炎でシフトすると痛みが走るようになってエランを手放したと言う話は、どこかのサイトに書いてありましたが、そんなもんで乗れなくなるんでしょうかね?
ワテは10月30日に両手骨折しましたが、12月に長野市の三菱ディーラーに預けていたMyハニーちゃんを取りに行って、運転して帰ってきましたけどね(笑。
それ以上のものを入手するための買い替えや、老朽化・全損事故等での廃車のために泣く泣く愛車を手放すのなら理解できますが、マンガのネタにしていたように色々手を加えて乗っていた思い入れのある車体を売り払ってしまうのは、もしワテならできないかな。
多少運転していて痛いことがあっても、自分の側で色々工夫して乗って行くと思います。
車のマンガですと、『GT roman』と『SS』が特に好きで、次点は前に話題にもなった『ガッデム』辺りが好きですね(画風はあまり好きじゃないですが)。
『カウンタック』と言うMR2に乗る主人公のマンガでもストラトスの登場する巻があって、それだけは買いましたが、ナンだか変なストーリーでその他の巻には手が出ませんでした。

おっと、そうそう、骨折事故と言えば、今度の水曜には入院し、木曜に手術をして、やっとあの忌まわしい事故で埋め込んだプレート&ボルトを除去してきます(^∀^)v
by トプ・ガバチョ (2013-02-15 23:53) 

鈴木雷音

おー、わたしも膝の事故の半年後にくぎ抜き手術したけど、クルマで病院へ行き、翌日手術を終え、帰ろうとしたら膝が痛みで曲がりませんでした。看護婦(その頃は看護師とは呼ばなかった)さんたちに、なんでクルマで来るのよー、って怒られた覚えが。それでも看護婦さんには、それではバスで帰るわとウソを言い、泣きながら乗って帰りましたけどね。
by 鈴木雷音 (2013-02-16 01:53) 

薄青

えっとね、家に帰ってから調べてみたら11巻でした。
むねよしさんにハードトップを譲るという役柄で3、4コマの出演です(笑
かなり脚色されていますが、譲ったのは本当です。

ちなみに革ジャンリーゼントでもなく、ヒゲ&ロン毛でもなく、
サワヤカな好青年風に描かれてます。
そんな時期もあったのですよ…(^^;)
by 薄青 (2013-02-16 02:28) 

トプ・ガバチョ

>らいおんさん、お早うさんです!
さすがに手術の直後に車で帰るのは痛いに決まってるでしょうに(^∀^)v
ワテは、色々なところが痛くて、しばらくはロキソニンを毎日服用していたから、実は痛みがはっきりしなかったんですけどね(笑。
それにしても、足の親指の爪は、あの時激しく打って充血した黒いやつが、今も残って出てきています。
結構長引きますね。
by トプ・ガバチョ (2013-02-16 08:41) 

トプ・ガバチョ

>薄青さん、ど~も~!
なるほど、11巻ですね(^∇^)メモメモ。
ワテのイメージではグラサン&リーゼントで薄青号をオープンで走っている姿が鮮明に焼きついているんで、この前の大黒でのちょっと長めの髪で赤ちゃんを抱いたパパさんが、一瞬薄青さんとは気付かなかったですよ~(爆。
ちなみにあの後宮ヶ瀬で、今度はHEP号の('w’)さんが赤ちゃんを抱いているところに出くわし、未婚のオサーンは一人いじけました(笑。
マジで奥さんに誰か友達でいい人いないかどうか、聞いてやって下され~(^∇^)
by トプ・ガバチョ (2013-02-16 08:51) 

lensmania

ようやくボルト&ナットが抜けるんですか,おめでとうございます
いやナットはないのか(。☆\(▼▼;)t
Tipoはランチアとプジョ表紙のだけ買っていましたので,ご呈示の巻は実家のどこかには有るはず(^^)そういえば西風さんのホストが盗んだ成層園でスピンしまくる話は好きです.SSコミックスは発売待ちながらリアルタイムで拝読しました.SS主人公より年上のおっさんですが,あの辺で青春を送った者にはストライクでした.
私も,とっても右手首が痛くなったことがあり,シフトノブが固く重いアルファではシフトできるだけ減らしたり,発進では左手を回してローに入れたりしてました.でもエランはそんなに硬くないと思うんだけどな.
by lensmania (2013-02-16 16:59) 

トプ・ガバチョ

>れんまにさん、こんちわ~!
ワテの場合、BOLTS ANT PLATE!ですな(笑。
GT romanでウィンド越しに涎を垂らし、思いを馳せていたのはワテも全く同じでした。
しょっちゅう町田のショップにあったオレンジ色のストラトスを外から覗きまくってましたが、さすがにバブル真っ最中の当時、2800万の値が付いていて、夢物語でしたね(笑。
それが今リアルタイムで2900万で出ていますから、値段は戻っちゃいましたね。
ちなみに我が家の成層圏くんはボロボロゆえ、そんな価値は当然ありません(←キッパリ^∀^)
SSはワテもちょっとだけ草ラリーをかじったことがあって、あんなにもの凄い走りは当然できませんが、結構重なるんですよね~。
年代的にもドンピシャだし。
あの東本昌平と言う漫画家さんは、本当に上手いですよね。
今もRIDEと言うムック本でバイクものマンガを連載しているようですが、惜しむらくはオフロードバイクものがほとんどないこと(^∀^)。
でも、今度いくつか買ってみようかな。
by トプ・ガバチョ (2013-02-16 17:14) 

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