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梅雨に入った島だった@済州島旅行記1 [その他・雑記]

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 6月16日(月)、おっかさんと2人で済州島へ3泊4日の旅行に行ってきました。このところ日韓関係が怪しくなって、韓国への日本人旅行者が大幅に減っているそうですが、正直言ってワテもソウルや釜山等には全く興味がなく、韓流やK-popとか呼ばれるものにもほとんど目が向きませんから、韓国ははっきり言って「面倒な国」のようなイメージがありましたし、今も変わりません。しかし、あちらの国では唯一のリゾート地とも言える南端の済州島は自然も豊かで面白そうだとは思っていましたし、母のゆかりの人も住んでいて、せっかくだから一度行ってみるかと言うことで選んだ場所でした。
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 当日は朝7時45分に成田空港内で旅行会社のチケット受け渡しがありますから、5時半には横浜を出ておかないといけません。車は旅行バッグが余裕で積めるMyハニーちゃんにしておきましたが、空港周辺の民間ガレージに4日間屋外駐車することになりますし、平日だから高速料金も安い軽はベストマッチですね。
 成田までは首都高湾岸線+東関東道でおよそ1時間半。早朝ですんで混雑は一切なしですから、時間に余裕ができたので、酒々井PAで軽く朝食を取って空港に向かいます。
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 日本旅行社のツアーですが、観光地巡りのパックツアーは申し込まず、往復便と現地の担当者だけが済州空港内でチケットを受け渡ししてくれることと、ホテルを取ってくれるだけのもので、観光名所等は自分で好きなところを回れるようにしておきました。そのため、現地でレンタカーを借りて走るために、生まれて初めて国際免許証を交付してもらいました。
 飛行機は大韓航空のエコノミーですが、ホテル代込みで5万ちょい。海外旅行も安くなったもんですね。
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 9時に出国審査を済ませて準備して、10時20分にいよいよフライトです(フライト時の動画をこちらにアップしました)。しばらく窓の外を見ていますと、三浦半島から江ノ島、湘南海岸から伊豆半島が見え、結構太平洋側沿岸を飛んでいるみたいです。トップ画像は富士山の山頂が見えた時に撮ったものですが、さすがに雲が取り巻いてましたね。
 2時間ほどで済州国際空港に到着。ちょっと雲が多くなっていましたが、ニュースでは翌日から済州島もいよいよ梅雨入りだそうで、九州の北側にありますが日本より若干遅い入梅ですね。
 空港ではあまり細かい審査を受けずに出ることができましたが、日本旅行と提携する現地のガイドさんによると、レンタカーを借りるのと1日タクシーで移動するのとではあまり値段に差がないことと、日本語のできるタクシーの運転手さんを紹介してくれて、とりあえずこの日はそれに従うことにしました。ホテルにチェックインできるのは3時ですから、それまでは免税店で時間潰しになります。
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 マイクロバスで連れてこられた免税店は中国人観光客でごった返し。ワテらは別段買いたいものもないので、どうでも良かったので、さっさと外に出て街中の様子を見てきました。
 済州島は大通りに車を止めているとレッカーで持っていかれちゃうせいか、ほとんど路上駐車している車が見えませんでしたが、ちょっと路地に折れるとご覧のように左右で止め放題。これは駐車可な訳ではないんですが、これだけ止められると警察もどうにもできないそうです。しかも、済州島の家で駐車スペースを設けているところは非常に少なく、有料駐車場も作ったところで皆路駐してしまって商売にならないようで、ほとんど見かけません。この道も一方通行でも何でもないのですが、止める向きなど全く気にしていないようですね(^∀^)。なお、韓国は右側通行で、右折は常時可です。また、時折ロータリーの交差点も見られますが、街中の主要部分以外では信号機がほとんどなく、歩行者優先の意識もないようで、歩いて道を横断するのはかなり大変ですね。
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 免税店周辺で時間を潰し、日本語のできる個人タクシーの運転手さんを呼んでもらい、ホテルに荷物を置いて、ようやく観光地に向かいます。この日は時間的に遅くからになりましたので、済州市内から近場の観光名所を運転手さんに頼んで教えてもらいました。画像は済州市内からちょっと東に進んだところにある海岸です。天気がどんより曇り始めていましたが、海水はさすがにきれいでしたね。でも、こんな磯なんて日本にはどこにでもあるので、これと言った面白さはないです。
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 済州島は中心部に漢拏山(ハルラサン)がそびえ、その火山の隆起でできた島だけに、海岸はほとんどが火山岩による岩場です。わずかに砂浜があって、そこが韓国の本土から来た人達にとって格好のリゾート地の海水浴場な訳ですが、正直言ってワテらには見て楽しむ所ではないですね。
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 最初の海岸からちょっと移動し、ガイドブックにあった竜頭岩を見に行きます。ガイドブックの写真は満潮時なのか、手前の岩場は水中ですから、竜の頭のような形の突起が目立って見えます。しかし、これまた日本ではもっと凄いものがいくらでもありますから、「ま、こんなもんね」くらいの印象でした(笑。
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 竜頭岩から一気に東に進み、定番の観光名所の万丈窟に向かいます。ここは駐車場も用意されていて、本土や中国からの観光ツアーの客がバスで移動して来ていました。欧米人のグループもいましたが、日本人は1人もいませんでした。火山の流れで作られた長い洞窟で、全長が2kmほど続いているうち、公開されているのは1kmほどになります。
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かなりひんやりして気持ち良いところでしたが、足腰の弱いおっかさんにはさすがに1km往復するのは苦しいので、半分だけ進んでゆっくり1人で戻ってもらい、ワテが単独で一番奥まで早足で進んで戻りました。この先はかなり足場が悪くて進むのは厳しいようです。
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 外に出るちょっと前におっかさんに追い付きましたが、洞窟までは結構長い階段を下りたので、帰りが大変ですね(^∀^)。でも、この日では初めて面白いところを見ることができて良かったです。
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 万丈窟から少し距離がありますが、やはり島の東側の山沿いにある城邑民族村に移動します。この地域は昔ながらの家屋を残し、今でもそのまま人が暮らしているところで、この区域は屋根も藁葺きしか認められないのだそうです。ちなみにここも観光ツアーの通り道のようで、大型バスが止まっていました。タクシーの運ちゃんもちゃんと馴染みの家があって、そこにワテらを連れて行きました。
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 その家のおばさんは日本語ができて、ぺらぺらと色々コミカルに家の様子を説明してくれます。これは向こうの便所で、画像では見えないですけど左側の岩が一部平坦で低くなっていて、そこでしゃがんでブリっとやるそうです。黒豚が飼われていますが、昔はこうして糞も豚の餌にしていたそうで、男性はナニを噛まれる恐れがあるので、竹の棒が置かれていて、用を足している間はその棒で豚を追い払うのだとか(^∇^)。もちろん今ではこんなトイレは使っていませんが、観光用にこうして残している訳です。
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 ここは厨房。やはり当然ここで料理など今はしていませんが、ちゃんと残しておく義務があるんだそうです。韓国では土間が多くて、いつもしゃがんで作業していたようですね。部屋の中でも座る時は女性でも片膝を立てるようにして、もう一方はあぐらをかくように曲げて座っていますが、日本のように正座する風習はないようです。
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 民族村は一般の家屋だけではなく、こうした石積みの壁や門が作られていました。昔の城壁のようなものを復元していますが、なかなか雰囲気は良かったですね。しかし、ツアー客に面白おかしく説明してくれたおばさんは、最後にやたら冬虫夏草のお茶の効能を宣伝し、それを察したおっかさんが離れていましたら、やはり締めくくりでその自家製のお茶を50万ウォン(5万円)で売り付けようとしていました。こうして観光客を言葉巧みに相手にして商売しているんでしょうね。もちろんそんなものは不要なんで、さっさとその家から出ちゃいました(笑。
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 城邑民族村に着く頃には雨が降り始めましたが、まだ小降りでした。ただ、時間がもう遅くなるので、ホテルに戻ることにしましたが、タクシーの運ちゃんが市内の中心部にある大きな観徳亭の建物の前で止まってくれて、ちょっと記念撮影。この辺りは駐車場がないので、大型観光バスはやって来ないみたいです。この日は外側だけ見て終わりましたが、中に色々あるので翌日にじっくり見ることにします。
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 今回利用したホテルは一応5つ星の付いていた済州KALホテル。しかし、設備は日本のビジネスホテル並みで、カーペットなんかは汚れが目だって汚らしかったです。トイレ・洗面所と一体の風呂も情けないことこの上なし。しかも、ナンとWi-Fiが有料で、1日17000ウォンもするので、バカらしくなってiPhoneでの通信は一切しませんでした。他のホテルは無料だと聞いていましたから、今回は5つ星に騙された格好になりましたが、もし済州島に行かれる方がいらっしゃったら、このホテルはダメダメくんですよ。
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 食事もセットにしませんでしたから、自分で市内の店を探します。完全に雨が降ってきましたから、歩くのもおっくうでしたが、色々回って決めたのがこのサムゲタンのお店。「いらっしゃいませ」と仮名表記があったので、日本語もある程度できそうでしたが、お店は個人でちんまりやっているタイプのものでした。おばあちゃんと嫁のおばさんがいましたが、息子が大阪で暮らしているそうで、日本語も片言ながらできました。
 ここで食べたものはサムゲタンと海鮮チゲ鍋。どちらも美味しかったですが、いっぱい付いてくる小皿のキムチ類は正直言って日本のキムチに馴染んだ舌には合いませんでした。向こうではどう言う訳かリンゴをすりつぶしたものを漬け込む辛子とにんにくのタレに入れるようですが、はっきり言ってあれはダメですね。皆さん、リンゴや梨等の果物を醤油のタレに付けて食べることを想像してみて下さい。そんな感じの味でしたので、何とか食べようと思いましたが無理でした。メインディッシュが美味かっただけに惜しいですね(^∇^)。
 さて、食事を済ませて、翌朝の朝食用にカップラーメン等をコンビニで購入してホテルに戻って一休み。朝が早かったこともあってぐっすり眠れました。

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 さて、日付が変わって17日(火)、いよいよ済州島もこの日から梅雨入りになり、前日夜から降り続いた雨の勢いが少し強まりました。しかし、土砂降りレベルではなく、普通の雨という感じでしたが、風だけは時折強く吹くので、持って行った折り畳み傘ではちょっと心許ない感じでした。済州島は火山岩だらけの島で、市内にいくつもの橋があって川らしきものがあるんですが、雨の日以外はいつも水が地中に吸い込まれてしまって枯れた状態になります。日本でも上流にダムができて、水の確保のために夏季に放流を止めることで、下流が干からびた状態になる光景を時折見かけますが、正にあの感じが済州島では通年になります。そこそこの降水量があった時だけ画像のように吸い込み切れなかった水が細い川になって海に流れますが、この程度ですと翌日にはまた枯れています。ほとんどが地下水になって蓄えられるので、昔は湧き水を汲んで生活用水にしたそうですが、今は水を地下から直接汲み上げて使っているそうです。確かにダム湖など作りようもない地質ですから、それも仕方ないでしょうが、雨量は多いので地下水は豊富なんだそうです。以前日本でも水不足になった時に済州島のミネラルウォーターが大量にスーパーで売られていましたが、現地では水道が日本のようにきちんと管理されておらず、せっかくの地下水でも蛇口からの水はそのままでは飲めない場合が多いです。ですからコンビニ等でのミネラルウォーターが飲料水としてたくさん売られていましたね。
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 話は横道に逸れましたが、この日は予報でも一日中雨でしたので、とりあえず午前中はホテルから歩いて行くことのできる観光スポットに目星を付けておきました。それで、まずはホテルから200m位の所にある済州特別自治道民族自然史博物館に向かいますと、入場券売り場の窓が閉ざされていまして、丁度この月は館内の工事のためにしばらく閉鎖中になっていました。資料ではなかなか面白そうな感じだっただけに残念でしたが、すぐ隣の三姓穴と言う済州島古来の国である耽羅国の始祖とされる三神人がここから生まれ出たとされる遺跡です。しかし、ガイドブックでは木の杭が円形に差されたわずかな陥没があるだけで、面白味に欠けるので、当初は入る気はなかったのですが、博物館がダメだから仕方なく入ろうとしたらそんなショボいものでも入場料を要求されたので、入らず出てきちゃいました(;´д`)。
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 次に、海側に坂を下って進み、地下街が延びるところの先にあった観徳亭に向かいます。前日にタクシーの運ちゃんが入口前で止まって表側だけで記念写真を撮りましたが、この日は徒歩でしたから、駐車場の心配もなくチケットを買って中に入ってじっくり見て回りました。
 ここは李氏朝鮮時代に置かれた済州島の総督府で、表側の大きな建物は公開されていますが、城壁の内側にはたくさんの建物があって、これらが韓国時代劇の撮影場所として良く使われたそうです。もちろんこの公園は近年になって復元されたものですが、大変良くできていてオススメ観光スポットですね。しかし、ワテらの他には雨と言うこともあってか、誰もいません。こんなに面白いところなのに何ゆえ人気がないのかと思いきや、実は中国人や日本人向けのパックツアーでは大型バス等の車を駐車させられる場所がなく、ツアーのコースから外されちゃうようです。おかげで、じっくり見て回れて面白かったです(^∇^)v
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 雨ですが、このように全ての建物は扉が開かれていて、それぞれの建物がそれに応じた役目の役人(例えば勘定方なら帳面に何かを書き込む役人)の人形が据えられ、なかなかリアルで見ていて飽きませんでした。
14年6月17日C3観徳亭-520.jpg
 こんな風に旅行客用に記念写真を撮ることができるような配慮もされていましたが、この役人は何を担当しているのか等は一切分かりませんです(笑。
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 こちらは役人(右)に尋問される一般人を模したもので、今で言う警察署のような施設が入った建物です。ここも観光客が入れるようになっていましたが、昔の日本と違って朝鮮は中国の文化がより強いせいか、椅子と机が多く用いられていたようですね。
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 観徳亭でじっくり見学して出たら、もうお昼です。戻りながら地下街の中で定食屋のような店を探して昼食を取りましたが、ワテが注文した冷麺も、おっかさんが食べたクッパも、味はダメダメですね。値段は若干日本より安いものの、決して大幅に安い訳ではないです。ただ、どの店も前菜と言うか色々なキムチが小皿で出てきますが、それも込みの値段ですから、格安なことは間違いないですが、どうも済州島のキムチの味付けは独特で、果物系の風味がちょっと受け入れられませんね~。
 昼食後、まだ時間がタップリあるので、このまま帰ってしまってはもったいないですが、かと言って雨ですから、見られる場所は限られています。ここでまた初日に紹介してもらったタクシーの運ちゃんに電話して、午後に東側の屋内で楽しめる観光スポットに向かってもらいました。それが画像の「済州海女博物館」です。済州島は火山岩質の地盤で、農耕には適さない土地が広がり、結果として農業より漁業が昔から盛んでした。しかも、この島には今でこそ杉の木が植林されていますが、元々しっかりした造船技術がなく、いかだ船でちょっと沖合いに出るくらいしかできなかったため、沿岸部で海女さん達による魚介類の採集が大きな生活の支えだったそうです。ですから、昔の済州島では女の子が生まれると祝い、男の子が生まれると落胆したそうですが、おかげで男性はぐうたら者が多い土地柄だったとのことです。
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 博物館の中はとても充実していました。年代別に海女さんのスタイルが異なりますが、そうした変遷の歴史や漁具、住まい等、様々なディスプレーがあって面白かったです。ちなみにこれは一般的な海女さんの家庭の様子ですが、基本的に山間の村も同じ感じですね。厨房は日本でも昔は土間でしたが、韓国では部屋とは別の建物になっているか、壁で隔てられていて、直接内側から料理を住まいには持ち込めなかったみたいですね。
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 これも家屋の様子ですが、臼やキムチ等を漬ける容器、干物を作る道具などが展示されています。日本の海女さんの文化も紹介されていて、ほぼ同じような形でそれぞれ昔から行なわれていた漁法ですね。
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 これがまだ足ひれや水中眼鏡を持たなかった頃の海女さんの様子。大変リアルな人形が展示されていて、興味深かったですね。海から上がった海女さん達はこんな感じで火を焚いて体を暖めてから再び素潜りをしていた訳です。主に採るものはアワビとサザエ等の貝類
で、魚やエビ、カニ等はそう多くなかったようですね。
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 済州海女博物館で楽しんだ後、東の端の城山日出峰に向かいます。小さな火山の河口部が島になっていて、今では本島と繋がっています。ですから、普通に車で行けるのですが、景観に優れる観光名所でもあるため、観光ツアーバスで多くの人がやってきます。この日も風雨が強く、ここでは横殴りの雨になってましたが、山に向かう歩道を登る中国人ツアー客がとても多かったです。
14年6月17日E1城山日出峯-520.jpg
 階段を延々と登らねばならないので、足の弱いおっかさんはタクシーの運ちゃんと入口の店でコーヒーを飲んでいてもらい、ワテ1人で500ウォンの入場券を買って登ってきました。ただし、横からの風が強くて、傘がほとんど役目を果たしておらず、最後まで登るのは断念して半分のところでUターン。本来なら窪んだ火口部が見え、海の展望も素晴らしいところなんですが、何しろ天気が悪いので見晴らしについては全く期待できませんから、さっさと戻っちゃいました(^∇^)b
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 ワテが考えていたスポットはそこまででしたが、運ちゃんが良いところを紹介してくれて、そこに移動しました。東端からはしばらく内陸部に戻る感じですが、ちょっと遠回りする感じで戻る途中にあった「四・三平和記念公園」です。ここは韓国の黒歴史を表に出した歴史資料館で、済州島に行ったら必ず訪問することをお勧めします。日本語が堪能なガイドさんもいて、館内を一周して戻ってきたら悲しみで胸が詰まらされること間違いなしです。
 第二次大戦が終わって、ソ連のバックアップを得た金日成の北朝鮮共産党と、アメリカの後ろ盾で李承晩引き入る後の大韓民国の軍事政権とが対立し、北の共産主義から逃げてきた人が南の政府の役人になり済州島に送り込まれ、島の住民を虐げることを行って恐れられていました。と言うのも済州島には昔から政治犯が島流しにされることが多かったそうで、そうした活動家も多く、南北に分断されたまま南だけで大統領選を行なうことに反対した活動家が中心になって、島では李承晩が強引に行なう施政を是としないで、投票をボイコットしたそうです。これが「赤」としてとらえられ、勝手に共産主義者として虐げられるようになり、北とは無縁の若者達も一方的に「赤」と決め付けられて、山に隠れ住むようになりました。それを追って軍事政権軍があらゆる暴力を尽くして、女子供老人まで殺戮し、何と島民の1/5にあたる数の一般人が同じ韓国人によって殺されました。これが四・三事件ですが、長らく軍事政権が続いていたので、このとんでもない事件は隠蔽され、やっと軍事政権が終わった金大中大統領の時代になって初めて政府によって済州島民に正式謝罪が行なわれ、その後の
盧武鉉大統領の時に四・三事件の解明が指示され、この施設も建設されたそうです。
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 施設内では当時の破壊の様子がいろいろな形で再現され、そりゃもう凄惨に尽きる話で、全く無縁の我々でも目頭が熱くなるようなものでした。沖縄の人々が大戦末期にとてつもない仕打ちによって多くの命を失ったのは、敵国によるものであって、同じ国の人々に殺された訳ではありません。大韓民国を建国した李承晩の軍事政権は、同胞を「赤」の疑いだけで、政治とは無縁の弱者を大量虐殺をするのですから、本当に狂気の沙汰です。虐げられた島の活動家は、こうなると赤でも何でもないのに、逃げ道は北か日本しかない訳で、結果として大阪の生野区には済州島出身者が多かったそうです。で、その李承晩が国内で殺戮を繰り返していた時に、突如李承晩ラインを一方的に宣言し、竹島を武力占拠したのですが、彼らには相手と話し合って平和にやって行くような発想は皆無だったんでしょう。今の韓国国民は「独島は我らのもの」と言う前に、武力占拠した李承晩の異常さをこの施設でしっかり学習するべきでしょう。
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 虐殺されて白骨化した死体を掘り起こし、遺族が確認してももう既に誰が誰だか分からず、結局盧武鉉大統領の時代に真実が暴かれ、遺体を合同墓地を建設して合葬し、石碑を立てて複数の施設を建設したそうです。大戦が終わっても、南北で争った末に巻き添えを食らった島民の無念の声が、21世紀になってようやく表に出た形になりました。
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 これは当時の山に逃げた島民の成れの果てを再現したディスプレー。大戦末期の日本軍兵士も、東南アジアの森林でこんな感じで朽ち果てた人達が多かったんでしょうが、ここは一般市民がこうした目に遭っていた訳ですから、つくづく哀れですよね。
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 四・三平和記念公園の施設で、色々詳しく説明して下さったガイドさん。繰り返しますが、済州島に行かれるなら、是非この施設に寄ってみて下さい。島の自然や遊興施設ははっきり言って日本の方が豊かで美しい場合が多いですが、こうした歴史的なものは向こうでないと体験できないものですから、大変貴重な人生経験になるものと思われます。
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 四・三平和記念公園を後にして、ホテルに戻ったのはもう暗くなりかけていた時間で、前日と同様、坂を下ったところにある食堂が並ぶところにあった黒豚焼肉店に入って夕食を取りました。ここは前日に入ったサムゲタンの店とは打って変わって繁盛していて、客であふれていました。済州島では焼肉は牛ではなくて黒豚が普通で、意外と値段は高いです。ステーキみたいに大きく切った肉が2切れで1000円ちょい。細かく切ってあるやつもそうした値段で、それぞれ2人前と海鮮チゲを頼むと、2人で1万円コースですから、日本で食べるのと変わらなかったです。味は微妙でしたが、肉には味付けがなされておらず、焼いた後で小皿に入ったタレに付ける形で、そう美味しくはありませんでした。サンチュやゴマの葉、キムチ等はお替り自由ですが、やはりここもキムチは変な味でした。
 夕食を取ってホテルに戻りましたが、午前中と夜にたっぷり歩いたので、この日も疲れて風呂に入ったらもうバタンキュー。テレビのCS放送でNHKが入ったのは有り難かったですが、これってNHKは受信料を取ってるのかいな?(^∇^)b
 と言う訳で、2日間の前編はこれで終了。18・19日の後編はまた後日まとめてアップします!


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HIRO

こんにちは。
お母様孝行お疲れ様でした。
面倒な…事もあるし、フェリーや地下鉄とかで、安全性自体がアレという事もあって、日本人の足が遠のいているのじゃないかと(哀)

他の国の文化も、同じモノを扱いにしても観ると面白いですね。
by HIRO (2014-07-12 20:46) 

トプ・ガバチョ

>HIROさん、ちわっす!
あの国では、やはり反日感情むき出しの人も多く、正直言って韓流もK-Popも興味ない者には魅力は余りないでしょうね。
都市部の様子は日本と変わらず、観光スポットも歴史的なところはともかく、自然も日本の地方の様子の方が百花繚乱だし、売られている物も食事もやはり日本の方が良い物が多いですからね。
あくまで、向こう独自のものを楽しむのが一番でしょうね。
前半では観徳亭と海女博物館、四・三平和記念公園でした。
この三つはハズレなしでしたが、他は正直言ってどうかなと言うレベルでしたね。
泊まった済州KALホテルは、例えば伊豆の場末のホテルみたいなレベルで、不快なほどでした。
古いホテルだそうですが、使うなら新しいホテルの方が絶対良いでしょうね。
by トプ・ガバチョ (2014-07-13 19:25) 

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