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お気に入りビデオ@お笑い [映画・TV関連]

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 以前からダウンタウンのコントやフリートークが大好きでしたが、今年も彼らの番組である、大晦日恒例の「ガキの使いやあらへんで 笑ってはいけない熱血教師」をきっちり録画しておきました。この「笑ってはいけない○○シリーズ」は、前回の「空港」のやつこそまだ入手していませんが、一応DVD化された「ガキの使い」の17巻までは一通り持っています。やはりダウンタウンの魅力は「ガキの使い」と、90年代の伝説のお笑い番組である「ごっつええ感じ」からもたらされたことは間違いないです。彼らが関東進出間もなく、ウッチャンナンチャン・野沢直子・清水ミチ子らと共に行なった「夢で逢えたら」と言うコント番組がありましたが、単独でのものは「ガキの使い」からになります。当時大好きで毎週観ていましたが、本当に松本人志の持つお笑いのセンスは、それまでのものとは一線を画していましたね。あんなに面白かったコント55号やドリフが面白くなくなったと感じて観なくなって、その後に一世を風靡した漫才ブームの頂点とも言うべきツービート(ビートたけし)もまた、多少の年月を経た後、既に「コマネチっ!」と股間に手をV字に当てて叫んでもただただお寒く感じるようになって少しした80年代末頃から、ダウンタウンを筆頭にした若手関西芸人が大人気を博しました。その当時、TVで彼らの漫才を観て、そのとぼけたナンセンスギャグと、突っ込みそのものを笑いにしてしまう手法に、一気に虜になりましたっけ。
 あの頃一線に出てきた若手は、ウッチャンナンチャンやとんねるずらが有名ですが、今では大ベテランですから時間の経つのは本当に早いです(^∇^)。しかし、未だにしっかりとしたお笑い番組を維持しているのは、ダウンタウンくらいですから、やはりその存在感たるやちょっと別格ですね。その後「ボキャ天」等で頭角を表した爆笑問題やロンドンブーツ1号2号等も、今でも活躍してますが、その重みはやはりダウンタウンの足元にも及ばない感じですね。
 では、ダウンタウンと言うか、松本人志の創作するネタのどこがそんなに面白いのかを考えますと、やはり彼の鋭く回転の早い思考回路にあると思いますね。一言で言えば頭が良い訳ですが、ご存知の通り彼らは兵庫のツッパリ悪学校出身で、中学高校時代はほとんど勉強もせずにヤンキーのような学校生活を送っていましたんで、正直言って学はありません。「ガキの使い」のトークでも、あまり勉強してこなかったことからくるそのボキャブラリーの少なさを時折見せてしまいますが(例:まっちゃんが「長蛇の列」を「ちょうじゃのれつ」と言ったり、「コンテナ」が何だかはっきり分からず話に使っていたり)、即席のお笑いであそこまで客を笑わせることができる言葉をすばやく出せるのは、やはり切れ味鋭い頭脳の持ち主だからでしょう。その「笑わせる言葉」は、誰もが思い付くものでは当然面白くありません。意外な言葉でありながら、あまりにも内容からかけ離れたものですと、今度は見ている側が理解できずにシラケます。意外でいて、離れすぎない面白い表現がナンとも言えないおかしさにつながるのでしょうね。
 テレ朝の「ガキの使い」と双璧をなすフジの「ごっつええ感じ」ですが、これはダウンタウンと板尾・蔵野の130R、今田・東野のWこうじ、それにYOUと篠原涼子らで演じたショートコント番組で、毎週たくさんのネタを演じていましたね。良くアレだけのネタを考え付いて、それをセットにして皆で演じていたなと思いますが、やはりそのアイデアをひねり出すのは大変だったのか、5年ほどで松ちゃんがフジテレビのスタッフとちょっともめて終了しちゃいました。でも、その笑いは、今見てもちっとも色褪せることはないどころか、これを超えるものは未だにないとさえ思っています。
 「ごっつええ感じ」には色々なキャラが出てきて、連続物のように続くこともありますが、その中からワテが大好きなコントを列挙してみるとこんな感じになります。
1.「西日本番長地図」(単発)
2.「兄貴」
3.「ゴレンジャイ」
4.「ミラクルエース」
5.「シンガー板尾」
6.「ヘルショッカーなにわ」
7.「挑戦者」(単発)
8.「AHO AHO MAN」
9.「やすしくん」
10.「2014」

 ここらへんは、今売っているDVDにもおおよそ収められていましたが、面白いことに、以前売られていたVHSのものとはかなり内容が異なり、あまりダブっていません。「ガキの使い」のトークは8割以上VHSのものがDVDにも使われていましたが、こちらは7割くらい違いますので、「ごっつ」ファンはVHSも見逃せませんね。
ダウンタウンVHSのDVD-520.jpg
 せっかくだから、そのVHSのものをDVDに焼き付けましたが、「ごっつええ感じ(11巻)」も「ガキの使い(13巻)」もLPモードでDVD4枚ずつに収まっちゃいました。ですから、トップ画像の「一人ごっつ」を除くものが、こちらの3ケースだけに入っちゃってます。ちなみにもう一つの「男同志」は、ご存知江頭2:50がコンタキンテと共にモーホーネタで売っていた頃のもので、これもVHSからDVDに焼いておきました。エガちゃんは、今でこそ汚い言葉で誰彼かまわず罵りながら下半身を露出させてスタッフや観客を追い回す、困ったチャン芸人のようなキャラが確立していますが、元々生真面目で男らしい性格の好漢です。そのギャグは、本当に体を張ったもので、最近話題になっている「ピーピーピーするぞ」や「がんばれ!エガちゃんピン」等を観ると、彼の凄さが分かります。あの体を張った笑いと言うのは、上島竜兵なんかにも相通じるものがありますが、あくまでエガちゃんはいじられ役ではなく、独自に暴れ回るようなキャラですから、その点では正反対とも言えますね。いずれにせよ、「驚きのある笑い」とでも言えましょうか、彼のああ言った笑いもワテは大好きですね。そう言えば今年の「笑ってはいけない熱血教師」で、エガちゃんがココリコ遠藤に秘技「肛門粉噴射」をぶっかけるシーンがありましたが、ワテは前に「がんばれ!エガちゃんピン」(DVD)でそれを初めて見て、ぶったまげました(笑。凄い芸人さんです。
 ところで、ここにある他のビデオで、「ダウンタウンの流」と「頭頭(とうず)」は、それぞれフナイから出ていた初期の漫才傑作集とVシネマ風ギャグになりますが、前者は漫才の合間に「犬マン」と言うギャグを挟んでいました。これはただの飼い犬を特殊能力のある犬とした上で、悪役の浜ちゃんと戦わせると言う無茶な設定で、その腰砕け感が面白いギャグでした。何か後のAHO AHO MANやミラクルエースに通じるような気がしますね。
 「頭頭」は、最近の松ちゃんが監督した映画と通じるものがあります。「頭頭」も映画と言えるような作品で、おっさんの縮こまったような動物が海で採れ、その頭の部分だけを切り落として、髪の毛みたいなものが食べ物になっていると言う、ヘンテコな設定でストーリーが進みます。その「頭頭」と言う食べ物が、さも当然のように扱われているので、途中から「そんなものがあるのかな~」みたいな、不思議な錯覚に陥りますが、最後の最後にそれを松ちゃんら自身が一気に覆すと言う、不思議な作品です。でも、何か日本のごく一般的な家庭の抱えるじめじめとした陰気臭さ、哀愁を感じ、この流れで後の「大日本人」ができたような気がしますね。
ダウンタウンDVD-520.jpg
 その「大日本人」ですが、個人的に大変面白い作品だと思いましたが、評価は割れるようで、多くの人達に「理解できない」「面白くない」と言った評価を下されています。真面目に親から受け継いだ自分の仕事(これが変なんですけど)を、自分にできる範囲でこなしながらも、なかなか認められないばかりか非難されるヒーローの、淡々としながらも物寂し気な様子が、おかしなヒーローによる笑いとともに印象的に描かれていますね。ただし、最後のシーンはウルトラの家族のような連中が出てきて、急にCGではなく特撮にしていたのは失敗のような気が。あえて松ちゃんは「昭和のヒーロー」を「特撮」と言う形で表したそうですが、余りに突飛でしたね。それまで最強だった怪獣が、突然可愛いぬいぐるみみたいになって、ウルトラ家族に寄ってたかってフルぼっこにされるんですから、ちょっと興ざめされてもおかしくない仕上がりでしたね。最後までCGで仕上げていたら、もっともっとすっきり評価された映画のような気がします。
 「しんぼる」は白い部屋に閉じ込められた松ちゃんが、壁の中にもぐりこんだ無数の小人のエンジェルのおちんちんに囲まれ、それを押すと、訳の分からないものが突如できる壁の穴から出てくる設定で、このおちんちんが「しんぼる」な訳です。この部屋から抜け出そうと、色々な「しんぼる」を押すのですが、なかなか上手くいきません。で、別の世界が映し出されます。それはメキシコのとある家庭の様子で、ここの主人が覆面レスラーなんですが、これがどうにも頼りないレスラーで、体付きもビール腹のおっさんそのものと言う感じ。そのさえないパパさんレスラーが、後半で突如周囲をなぎ倒すようなパワーをみなぎらせますが、これも「しんぼる」に関連しています。ネタばらしになるので、この辺でやめときますが、この作品も、松本人志流とも言える「哀愁のおっさんの笑い」が絡められていて、かなり面白いものでした。一応、ワテの解釈を加えておくと、この世から旅立って行く松っちゃん演じる寝巻き姿の男があの世に至るまでの様子と、現実世界のメキシコの覆面レスラーの家族が、目に見えない何かでつながっていて、そのスイッチが「しんぼる」になっていると言う設定のようですね。ただ、やはり評価は割れる作品で、なかなかその可笑しさが理解されないみたいです。
 この後にも「さや侍」と言う作品を創った松ちゃんですが、そこでも「おっさん」をそこはかとない笑いに仕上げる手法で、大笑いではない、考えさせられる笑いのような可笑しさを追求しています。この方向性は、「頭頭」の時から観られた手法ですが、直接それが分かるのは「働くおっさん人形/劇場」のTVシリーズからになります。事実ここで採用された一般人の“おっさん”の野見さんが、「さや侍」の主役を演じていますからね。松ちゃんは「笑ってはいけないシリーズ」でも中高年の一般人を上手く使っていましたように(例:おばちゃん1号・3号や新おにぃ等)、そうした一般人の中で個性的な人を上手く操り、上手に笑いに変換していますが、彼自身がそうしたプロが生み出せない素人の意外性のある可笑しさを好んでいるんでしょうね。
 松本人志と浜田雅功は、今ではほとんど二人で漫才やトークをこなすことはなくなってしまい、それぞれ違う道を進んでいるかのようにさえ見えるものの、「ごっつええ感じ」で演じていた「2014」と言うギャグは、自分らが50歳の大台に乗った時にどうなっているかを自虐的に演じたものですが、そこではクサいべたべた漫才師みたいになった自分らが描かれていました。でも、2013年の今ですら、大晦日の6時間以上の年越し番組を任せられる大人気コメディアンなんですから、本当に見事な芸人人生と言う感じですね。今後もたっぷり楽しませてもらいたいです。


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ほりぐち

ほんと、松っちゃんのボケは間合いが神がかってて、あの天性の間合いは花紀京以来だと思います。「UFOの窓から子供が・・・」腸捻転クラスの笑いですね。

質の良い笑いは「人生の潤滑剤」どころか「人生の目的」でもいいですね!
by ほりぐち (2013-01-25 00:29) 

トプ・ガバチョ

>ホーリーさん、アザース(^∀^)v
やはりホーリーさんもそうお感じで?
あの間合いと、意外性のある言葉が際限なく出てくるようなところは、他の芸人さんでは無理ですね。
確かに、無茶な言葉も出てきますが、それを笑いに変えてしまうテクニックは本当に天才的ですね。
例を挙げれば、ガキの使いのフリートークで「登山グッズ」について質問され、全く知識のない松っちゃんが、デタラメ嘘八百なグッズ名を言いますが、それが「スッタッカー」「エンテランス」「おだんご」「キャサリン」だから、登山グッズとは似ても似つかない名前でしょ。
博識でないことの証明でもありますね。
普通は恥ずかしくてそんな妙な言葉は出せませんが、これらを強引に話の中の笑いの道具に仕立てるんですからね~。
普通の人間がやったら、ただ「こいつアホか?」で終わっちゃうものでも、抱腹絶倒の笑いにできるのですから、大したもんです。
by トプ・ガバチョ (2013-01-25 13:47) 

トプ・ガバチョ

そうそう、UFOを目撃した話は面白かったですね。
UFOに乗った宇宙人の子がゲーゲー吐いて、後ろから母親が背中をさすっていたのを見たと言う話でしたね。
あの後のオチが、「円盤型のUFOを見たけど、そこには3つの穴のようなものが開いていて、そこからお湯がたらーっと出てくるん」と言ってましたが、まさかカップ焼きそばのUFOが出てくるとは思いませんでした。
フリートークでスパッとこうしたことが思い浮かぶのは、やはり切れ味鋭い頭の持ち主だからでしょうね。
by トプ・ガバチョ (2013-01-25 13:52) 

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